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都城市郡医師会病院

2021年1月12日
◆一日も早い機能回復を願う◆

 都城市郡医師会病院で職員や患者の新型コロナウイルス感染が相次ぎ、県はクラスター(感染者集団)と認定した。重症急患に対応する2次救急医療施設で、感染症指定医療機関でもある。県西部における医療拠点の機能停止に圏域住民の不安が高まっている。

 5日に医療従事者の感染が判明し、外来診療や入退院、手術を停止、緊急対応も制限している。11日時点で医療従事者10人、それ以外の職員5人、患者7人が感染。延べ741人に及ぶPCR検査は終了しており、さらなる感染確認がないことを願うばかりだ。

 昨年末からの感染者急増に伴い都城北諸県医療圏のコロナ感染症対応病床の占有率は高まっている。9日時点の病床数は感染症指定医療機関と協力医療機関などを合わせて46床。感染症指定医療機関の4床は埋まっており、残り42床のうち25床も使われている。

 コロナ対応で医師会病院はICU2床、一般10床の計12床を用意。5日時点では病床数より多い13人が入院、これまでに51人の治療に当たってきた。

 機能停止を受け医師会病院は都城圏域の4医療機関に協力を要請、他圏域への搬送を含め救急医療体制の維持に努める。県は厚生労働省に初動対応や感染症対策の助言を行う医師らの派遣を要請し、医師会病院の一日も早い機能回復を急ぐ。同時に都城市内で宿泊療養施設の開設も進めるが、常駐する看護師の確保に苦労しているという。

 市内では昨年12月以降、高齢者施設、スポーツクラブ、民間病院と数十人規模のクラスター発生が相次ぎ感染者数を押し上げた。スポーツクラブと民間病院の双方に関係する感染者もいる。介護度が高くなる高齢の感染者が多く、看護師の負担は増す一方。医師会病院の感染対策室長を務める岩切弘直副院長は「何人も付き添う必要のある患者が増えている」と明かす。

 圏域医療が逼迫(ひっぱく)する状況で医師会病院の機能停止は痛い。感染した医療従事者10人は10日間をめどに自宅で経過観察中といい、PCR検査で陰性が確認されれば現場復帰となる。岩切副院長は「普段から全ての部署がいっぱいいっぱいの状況でやっている。人員欠損で個々への負担は増えている」と認める。

 医師会病院は13日までに一部業務を再開、来週には完全復旧を目指すとしている。一日も早く機能回復し、住民に安心感を与えてほしい。一方で、われわれ住民もできることがある。新型コロナウイルスに感染しないよう徹底して自衛すること。それが医師会病院に限らず医療機関の負担を減らし、圏域医療の健全性を担保することになる。

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