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コロナ禍とスポーツ

2021年1月8日
◆逆境挑む県勢選手支えて◆

 昨年から猛威を振るう新型コロナウイルスは、本県スポーツ関係者にも大きなインパクトを与えた。とりわけ、昨夏から今年に延期された東京五輪・パラリンピックを目指していた県勢選手は翻弄(ほんろう)され続けた。

 記憶に新しいのは、昨年12月の代表決定戦で敗れた柔道男子66キロ級の丸山城志郎選手(27)=ミキハウス、宮崎市出身。選考の場がコロナ禍で8カ月延期された末に、阿部一二三選手(23)=パーク24=に惜敗したが、24分間に及んだ激闘は、試合後の互いをたたえ合う言葉も含めて多くの人の心を打った。

 五輪延期を受け、バレーボール女子で2012年ロンドン五輪銅メダリストの新鍋理沙選手(30)=延岡学園高出=のように引退を決断した選手の一方、本来の体調に戻る時間を得たアスリートも。ラグビー7人制女子の黒木理帆選手(22)=立正大、門川町出身=はアキレス腱(けん)断裂から、ハンドボール女子の原希美選手(29)=三重バイオレットアイリス、延岡市出身=は右膝の手術からそれぞれ回復した。第3波の真っただ中で五輪の開催は依然見通せないが、代表争いを今後も注視したい。

 今年の県内スポーツで大きな話題は、サッカーJリーグ3部(J3)に初参入するテゲバジャーロ宮崎の戦いぶりだろう。日本フットボールリーグ(JFL)3季目だった昨季はコロナ禍で開幕が4カ月遅れ、その間に新富町への専用スタジアム建設も一時中断を余儀なくされるなど、逆風下のスタートだった。

 リーグ戦では戦力がかみ合って順位を徐々に上げ、昇格をつかんだ。最大の懸案だったホーム戦年間平均入場者数の条件がコロナ禍の特例で適用されなかったことも大きかった。ホームでの最終戦はにぎわい、本県初のJリーグクラブ誕生への期待の高まりを感じさせた。クラブが掲げる「真摯(しんし)」で「明日への勇気を届ける」プレーを披露して、県民を元気にしてほしい。

 アマチュアスポーツでも、高校運動部は昨年、県や全国レベルの大会中止が相次ぎ、苦しい1年だった。この冬は全国大会が行われるなど日常が戻ってきたように思われたが、年末に県立高校運動部の合同練習でクラスター(感染者集団)が発生。県立学校が臨時休校となり部活動も中止となるなど、冬場に力を付けようと意気込む選手らの今後に暗い影を投げ掛ける。

 昨夏は3年生らのために代替大会が開かれ、活躍の場を失った選手たちを後押しした。厳しい状況が続く中、選手や関係者は今年こそ集大成の舞台があると信じ、感染防止策を今まで以上に徹底しながら競技を続けていく。逆境に挑む選手を周囲も昨夏と同様に支えていきたい。

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