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長引くコロナ休校

2020年5月12日
◆安心と希望与える対策を◆

 緊急事態宣言が5月末まで延長され、多くの小中高校で休校が続く。県内の公立小中学校では24日まで休校が延長され、分散登校などで登校日を設定して学習活動が行われている。学校再開は25日から。子どもの学びを継続するため、学校や家庭であらゆる工夫を試みながら安全に配慮して再開を模索したい。

 休校を巡って心配なのは、地域や学校、家庭により大きな格差が出ていることだ。私立校などがインターネットのオンライン授業に積極的な一方、指導が不十分な学校もある。文部科学省によると、休校措置を取る教育委員会で同時双方向型のオンライン学習に取り組んだのは5%にすぎない。

 政府は学校のパソコン整備の前倒しを急ぐが、本格的なオンライン授業の拡大には時間がかかる。将来的な授業展開を見据え、教委や学校はすぐにできる対策から進めてほしい。

 参考にしたいのが、千葉大付属中の試みだ。平日の毎朝9時にホームページを見るよう生徒に指示し、教員が学級通信や教科の課題を更新する。

 生徒は画面上で返信でき、提出物が少ない子への連絡も簡単だ。文字中心のためスマートフォンで読め、通信料もそうかからない。教員の手間は少なく、在宅勤務でも対応できる。すぐ始められ、無理なく続けられそうだ。スマホのない子には書類を郵送すればいい。

 一方で、家庭も重要な役割を持つ時期だ。休校が長引く間にゲームやスマホを手放せなくなった子どもが少なくないかもしれない。学校再開に向けて何より大事なのは、規則正しい生活リズムに戻すこと。夜更かしして朝寝坊すると気力がなくなり、1日の時間を無駄に過ごしがちだ。家庭では指示や命令口調にならずに優しい声掛けで子どもの生活が整えられるよう心掛けたい。

 子どもと一緒に過ごす時間を楽しく、創造性あるものにする工夫も必要だろう。難しく考えなくていい。散歩に出掛けて草花を眺める、旬の食材を使って料理を一緒にする、など日常生活の中に子どもたちが未知に出合う時間はたくさん準備してあげられる。在宅勤務などで家庭で過ごす時間が確保できる分、子どもの様子や成長を実感できると前向きに捉えよう。

 不遇な環境の子どもについての配慮は忘れてはならない。虐待され、満足に食事できない子どもに命綱の給食はない。自宅にいられない少女が性被害に遭う心配もある。アルバイト先の休業で退学や休学を考える学生も多い。そうでなくても10代の自殺は増加傾向にある。子どもに安心と希望を与えられる対策を強く望む。

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