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コロナ院内感染

2020年5月2日
◆負担軽減へ緊急資金投入を◆

 新型コロナウイルス感染症の院内感染が止まらない。医療、福祉、介護の現場が例外なく悲鳴を上げ、医療崩壊は目前に迫っている。国は一刻も早く防護具の供給を図るとともに検査態勢を充実させ、不安を払拭(ふっしょく)するべきだ。医療機関が経営を心配せずに対策が取れるよう、緊急資金の投入を提案したい。

 院内感染による新たなクラスター(感染者集団)は、市中のクラスターと違い、患者が増える一方で医療者が離脱を余儀なくされ、感染拡大防止に二重の障害となる。体が弱っている入院患者が命の危険にさらされ、今後、欧米諸国のように国内の死者数が激増する恐れがある。

 日本看護協会によると4月20日時点で、19都道府県の54施設で院内感染が発生。その影響は深刻だ。救急車が何十もの病院で受け入れられず、搬送時間が極端に延びた。病院以外に介護施設やリハビリテーション施設でも集団感染が起きている。

 この事態は各機関の落ち度とは言えない。感染制御に精通した医療者だけでは到底足りなくなっている。感染症指定医療機関でないのに急きょ専門病院に指定され、現場は十分な準備もなく感染対応をさせられる。事前に教育を受ける余裕もなく、感染におびえながら実地で学ぶしかない。ほかの病気での受診者の中に多くの感染者がいることも明らかになってきた。

 防護資機材の不足がその危険を一層高めている。数少ない医療用ガウンや高機能マスク、フェースシールドを使い回したり、手作りしたりしている現状では、ミスがなくても医療者の感染は一定の確率で発生する。

 医療者はそれを知っている。耐えられず退職するケースも出始めた。専門家が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を懸念するレベルだ。長丁場の闘いは必至なのに、医療者の職業倫理に甘え、決死の覚悟を強いてはならない。

 厚生労働省は24日にようやく、防護具が著しく不足した医療機関への緊急配布を発表した。ただ、ガウンやフェースシールドは「5月下旬ごろ」ではいかにも遅い。足りないのは、資材だけではない。

 医療機関や医療者個人が自前の資材調達のために使える緊急資金を配るべきだ。看護師増員の人件費、検査所の設置費用、寝具の頻回の交換、清掃や医療廃棄処理の増大など新たな出費は病院の資金繰りを悪化させている。

 幸い、企業が関連物資の増産を始め、流通も機能している。看護協会は離職看護師の復職を呼び掛けた。資金をどう配るか、検討する時間的余裕はない。医療現場の負担軽減策を素早く行うことが肝要である。

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