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河井案里氏秘書ら起訴

2020年3月27日
◆出処進退含め説明果たせ◆

 自民党の河井案里参院議員=広島選挙区、延岡市出身=が初当選した昨年夏の参院選を巡り、広島地検は公選法違反(買収)の罪で案里氏の公設秘書と、夫である河井克行前法相の政策秘書を起訴した。うち公設秘書について、公選法が規定する連座制の適用対象となる組織的選挙運動管理者に当たるとみて、速やかに審理する「百日裁判」を広島地裁に申し立てた。

 連座制は選挙運動の計画を立案したり調整したりする選挙運動管理者のように一定の立場にある陣営幹部が買収などに関わり、有罪が確定した場合、候補者本人は関与していなくても当選無効となり、同一選挙区からの立候補も5年間禁止される仕組みだ。案里氏は失職する可能性がある。

 さらに捜査は車上運動員に法定上限を超える報酬を払ったとされる公設秘書らにとどまらず、克行氏にも及んでいる。案里氏陣営の選挙運動を事実上取り仕切り、自ら支援を依頼した旧知の男性会社員に現金10万円を渡したほか、3回にわたり計約86万円を振り込んだなどの疑惑が深まり、地検は立件の可否を慎重に検討しているようだ。

 秘書らの逮捕後、夫妻は複数回にわたって任意聴取を受けた。しかし事ここに至ってもなお、形ばかりのおわびのコメントを出しただけで、自分たちの関与などについては一切口を閉ざしている。出処進退を含め、説明責任を果たすべきだ。

 公選法などは本来は無報酬の選挙運動で、選挙カーから支持を呼び掛ける車上運動員には手話通訳者や事務員などとともに例外的に報酬支払いを認め、日当の上限を1万5千円と定めている。だが夫妻の選挙では倍の3万円の支払いが常態化していたとみられ、案里氏が広島県議として4回目の当選を果たした2015年4月の県議選について、案里氏側の運動員経験者は地検に違法報酬を裏付ける説明をした。

 また衆院7期目の克行氏が当選した17年10月の前回選挙でも、同様に違法報酬支払いがあったと案里氏陣営の複数の関係者が地検に明かした。

 案里氏は09年に知事選に出馬したものの、落選。県議を4期務め、昨年7月の参院選広島選挙区で2議席独占を狙った自民党に擁立された。元国家公安委員長の自民現職、野党系無所属現職と三つどもえの激戦となり、自民現職が落選した。

 克行氏は安倍晋三首相に近く、参院選で党執行部は案里氏側に、自民現職側とは10倍の開きがある1億5千万円を入金するなど肩入れし、首相の秘書も広島入り。選挙後、克行氏は法相に就任した。首相の任命責任も改めて問われよう。

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