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後手に回った対応

2024年3月30日
 県外のとある老舗のサプリメントコーナーを歩いていたら、お店のスタッフがやってきて「お客さま、こちらの商品ご存じでしょうか」と話しかけてきた。見ると箱には「紅麹(べにこうじ)」の文字。初めて聞く言葉だった。

 店員さんは、それが悪玉コレステロールなどに効くことを説明。わが体形を見て「まさにお客さまのための商品」と言わんばかりの熱心な説明に思わず買い求め、2カ月間ほど飲んでみた。当然、そんな短期間で顕著な効果が表れるわけもなく、結局続かなかった。

 数年前の話だが、まさかここにきて、あのとき初めて知った「紅麹」なるものがこんな大ごとになろうとは思いもしなかった。紅麹を使った小林製薬のサプリメントによる健康被害。きのう新たに1人が亡くなり、サプリとの関連が疑われる死者は、全部で5人となった。

 自身が飲んでいたのはやはり小林製薬の紅麹を原料としたサプリなどを作っている企業の製品だった。幸いその製品ではなかったものの、同じ会社の別商品の一部が自主回収をされたと聞いて複雑な気持ちになった。小林製薬は、きのう謝罪会見を開いたが、問題を把握したのは1月だったという。

 健康食品だけではない。一時期ブームになったこともあり、同社の紅麹を使った商品は総菜にお菓子、ドレッシングなど多岐にわたる。その責任を思えば問題が発覚した時点ですぐに公表し対応すべきだっただろう。被害の行方は全く見通せなくなっている。

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