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被災地に春一番

2024年2月16日
 きのうの午後、ドラッグストアで買い物をしていたら、高齢の夫婦が入ってきた。店の人と顔なじみなのか「暑いねー」とあいさつを交わす。「暖かいねー」を通り越し、まさに「暑いねー」の一日だった。

 県内の最高気温は日向市の24・1度をはじめ17観測地点のうち16地点で20度を超えた。23・1度となった宮崎市も、早春ではなくまるで初夏といった感じ。ワイシャツ1枚で外出できた。そんな中で気象庁がきのう、北陸と関東で「春一番」が吹いたと発表した。

 全国で今年初めての春一番。北陸は昨年より13日も早いという。今なお困難の中にある被災地に「春」と名の付くものがもたらされたことに何となくホッとする。とはいえ強風に変わりはないので雪崩などの懸念も。地震でダメージを受けた建物への影響も心配ではある。

 くしくもきのう2月15日は「春一番名付けの日」。61年前の1963年のこの日「春一番」という言葉が初めて新聞で使われたことに由来する。〈春一番猫は地を這(は)い魚跳び〉(宮嵜亀(みやざきひさし))。この句の通り今の七十二候は「魚上氷(うおこおりにあがる)」。池や湖の氷が割れて魚が跳ねる様子をいう。

 話は冒頭に戻る。ドラッグストアで何を買っていたかというと鼻炎の薬だ。ここ数年、何事もなく過ごせていたのだが、今年は久しぶりに花粉症の兆候が。春の“招かざる客”である。インフルエンザも、まだまだ注意が必要だ。体調が気になる季節は続く。

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