陰謀論の代償
2024年1月27日
良くも悪くも米国の裁判のスケールの大きさに驚かされたのを覚えている。30年以上前にあった、商品のコーヒーでやけどを負った高齢の女性が大手ハンバーガーショップを相手取って起こした訴訟である。
女性は、ドライブスルーでコーヒーを買い求め、車内でコーヒーを膝に挟んでふたを取ろうとした。ところが、誤ってコーヒーがこぼれ膝にやけどを負った。女性はコーヒーが熱すぎたと主張。今後温度を下げることと、治療費の補償を求めて提訴したのだった。
その結果女性に約3億円を払えという判決が下された。最終的には数千万円で和解したという。それでも驚異的な額だが、こちらはそれをはるかに上回る。名誉毀(き)損(そん)で訴えられた元ニューヨーク市長に先日、ワシントンの連邦地裁の陪審が約210億円の支払いを命じた。
にわかには信じられない額だ。元市長は4年前の米大統領選で「アトランタでの集票作業中に選挙関係者の女性2人が数千票を不正に加えた」との陰謀論を展開。この女性らから損害賠償を求められていた。裁判所からすぐに支払いを始めるよう命じられた元市長は、破産申請をするはめになった。
原告の女性は、元市長の中傷により「人生の全てが変わってしまった」と訴えていることから、相当つらい目に遭ったのだろう。今回の米大統領選もまた陰謀論やデマが飛び交うのだろうか。それともこの判決が多少なりとも抑止効果をもたらすのだろうか。
女性は、ドライブスルーでコーヒーを買い求め、車内でコーヒーを膝に挟んでふたを取ろうとした。ところが、誤ってコーヒーがこぼれ膝にやけどを負った。女性はコーヒーが熱すぎたと主張。今後温度を下げることと、治療費の補償を求めて提訴したのだった。
その結果女性に約3億円を払えという判決が下された。最終的には数千万円で和解したという。それでも驚異的な額だが、こちらはそれをはるかに上回る。名誉毀(き)損(そん)で訴えられた元ニューヨーク市長に先日、ワシントンの連邦地裁の陪審が約210億円の支払いを命じた。
にわかには信じられない額だ。元市長は4年前の米大統領選で「アトランタでの集票作業中に選挙関係者の女性2人が数千票を不正に加えた」との陰謀論を展開。この女性らから損害賠償を求められていた。裁判所からすぐに支払いを始めるよう命じられた元市長は、破産申請をするはめになった。
原告の女性は、元市長の中傷により「人生の全てが変わってしまった」と訴えていることから、相当つらい目に遭ったのだろう。今回の米大統領選もまた陰謀論やデマが飛び交うのだろうか。それともこの判決が多少なりとも抑止効果をもたらすのだろうか。