埒を明ける
2023年11月10日
取り付く「ひま」ではなく「島」である。「取り付く島もない」―。相手に突き放されてどうしようもないことだ。また、とんでもないことを「めっそうもない」という。いずれも「ない」がセットである。
「取り付く島がある」や「めっそうがある」などとは言わない。それと同じと思っていた。お金がなくてどうしようもない意味の「無い袖は振れない」。これまで何度も見聞きしてきたが、ことわざ辞典で改めて調べてみると「無い袖を振る」というのがあった。
「到底できるはずのないことを無理算段してやる」ことらしい。意外だった。岸田文雄首相が所得税と住民税を減税する形で国民に「還元」すると言っていた過去の税収増分について、鈴木俊一財務相が8日の衆院財務金融委員会で「残っていない」ことを明らかにした。
「無い袖は振れない」は元々、昔の人が袖の部分に財布を入れていたことに由来する。今回は財布、というか財布を入れる袖がなかったということか。誤解を招きかねない首相の発言。こんなことでは「取り付く島もない」、いわば国民に「突き放されどうしようもなくなる」状態になりかねない。
減税は来年6月からというが、実現できるのか。このままでは埒(らち)が明かないように見えるが、実はこの言葉にもあまり使われない「埒が明く」という言葉があることが分かった。「物事にかたがつく」という意味である。うまい具合に埒を明けてもらいたい。
「取り付く島がある」や「めっそうがある」などとは言わない。それと同じと思っていた。お金がなくてどうしようもない意味の「無い袖は振れない」。これまで何度も見聞きしてきたが、ことわざ辞典で改めて調べてみると「無い袖を振る」というのがあった。
「到底できるはずのないことを無理算段してやる」ことらしい。意外だった。岸田文雄首相が所得税と住民税を減税する形で国民に「還元」すると言っていた過去の税収増分について、鈴木俊一財務相が8日の衆院財務金融委員会で「残っていない」ことを明らかにした。
「無い袖は振れない」は元々、昔の人が袖の部分に財布を入れていたことに由来する。今回は財布、というか財布を入れる袖がなかったということか。誤解を招きかねない首相の発言。こんなことでは「取り付く島もない」、いわば国民に「突き放されどうしようもなくなる」状態になりかねない。
減税は来年6月からというが、実現できるのか。このままでは埒(らち)が明かないように見えるが、実はこの言葉にもあまり使われない「埒が明く」という言葉があることが分かった。「物事にかたがつく」という意味である。うまい具合に埒を明けてもらいたい。