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ファーストペイデー

2023年4月25日
 今の時期、街を歩いていると、一目で新社会人と分かる若者たちをよく見かける。彼らが将来、新人時代の何を思い出すかはそれぞれだろうが、共通して覚えているものの一つが「初任給」ではないだろうか。

 私事だが、40年近く前に初任給を手にしたとき、すでに銀行振り込みが主流だった。年配の社員の中には現金支給にこだわっていた人もいたが…。お金の入っていない給料袋(明細)はどこか味気なく銀行で通帳記入をして初めて社会人になったことを実感した。

 今では給与明細を電子データで配布する企業も多い。昨年1月に就任した米ニューヨーク市のエリック・アダムス市長が「市長給与」を暗号資産(仮想通貨)で受け取ると宣言して話題となったが、日本でもいつか初任給を仮想通貨で受け取る世代が出てくるのだろうか。

 きょうは「ファーストペイデー」、つまり「初任給の日」だ。日本の多くの企業で新入社員が初めて給料を受け取る日であることにちなむ。日本証券業協会によると初任給の使い道で一番多いのは「親へのプレゼント」。これはいつの時代もそうだろう。ちなみに「祖父母へのプレゼント」は9位。

 また、2位は「貯金」で以後「生活費」「友だちとの交際・飲食費」「洋服代」と続く。時代とともに支給方法は変われど、額に汗して得た初めての給料だ。その喜びをずっと忘れずにいてほしいと”人生最後の給料”が視界に入った世代からのおせっかい。

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