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冬至に比べ夏至は…

2022年6月21日
 きょうは夏至。やや乱暴な言い方になるが、夏至は冬至に比べて何となく”不遇”である。まず冬至のように「一陽来復、つまり陰が極まって陽が帰ってくること」といった情緒ある説明が夏至には皆無だ。

 「一年で最も昼が長く夜が短い」という説明も、裏を返せば「これから徐々に日が短くなっていく」ということで、どちらかといえば寂しさを感じる。また、冬至には「冬至粥(がゆ)」「冬至かぼちゃ」といったものがある一方「夏至○○」というのはあまり聞かない。

 「冬至」が報じられる際に、よく使われるのが「ゆず風呂」の写真や映像。そうした象徴的なものも夏至には特にない。そもそも「夏」の文字が入っていても、季節は梅雨である。過去の冬至を表現する写真を見ると「ゆず風呂」に次いで出てくるのが「長く伸びた影」。

 そう、冬至は「最も昼の短い日」であると同時に「最も影が長くなる日」でもある。当然、夏至はその逆になる。夏至の影の長さは冬至の7分の1ほどという。「短い影」では、詩歌にもなりにくいだろうと思っていたら、面白い句を見付けた。〈夏至の日に嫁ぐわが影寸詰まる〉(唐崎みどり)。

 結婚式が夏至で、花嫁である自身の影が「寸詰まり」になっていたという意味だろう。情緒があるというよりはユーモラスだ。何だか夏至に否定的なことを書き連ねた形になったが、むろん夏至に罪はない。夏が短い北欧では、とても大事にされている日だ。

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