ホーム くろしお

民生委員の日

2022年5月12日
 「人の無情をしみじみと感じます」―。「灯心草」と表紙に書かれた年季の入った記念誌がある。宮崎市の民生委員制度創設60年を記念して、元号が平成になったばかりの1989年3月に出されたものだ。

 記念誌には、制度の沿革史や民生委員経験者による座談会などを掲載。活動事例集もあり、冒頭の言葉はその中に出てくる。1968年から20年にわたり民生委員を務めた女性が、世話をした孤独な高齢男性が最期を迎えるまでを記した報告の結びの言葉である。

 冷たい親族、行政の限界…。今では改善されたことも多いだろうが、当時の民生委員の報告からは、さまざまな困難に直面しながらも助けが必要な地域の人のため、誠実に役割を果たす姿が見えてくる。それは宮崎市以外の市町村、また、今の時代においても同じである。

 きょう「民生委員・児童委員の日」。105年前の1917年のこの日、民生委員の前身である「済世顧問制度」が岡山県にできたのに由来する。本県では、その11年後の28年に同じく前身となる「方面委員制度」が発足。現在県内では約2500人の民生・児童委員が地域のために活動している。

 接する機会が少なく活動内容を知らないという人もいよう。だが「安心で住みよいまち」に欠かせない存在で、民生委員への期待は今、より高まっている。最近では啓発のテレビCMも頻繁に流れている。この機会に改めて感謝の念をもって理解を深めたい。

このほかの記事

過去の記事(月別)