ホーム くろしお

ウクライナへの祈り

2022年5月10日
 厳粛、というより静ひつといった方がいいか。まさに「祈り」のイメージそのものだ。オーケストラが奏でる美しい調べにじっと聴き入る。楽団の背後には青と黄色にライトアップされたパイプオルガン―。

 おととい宮崎市であった宮崎国際音楽祭のメインプログラム「大野和士の世界」。世界的指揮者の大野さんの指揮で最初に演奏されたのは、当初のプログラムにはなかったウクライナの作曲家バレンティン・シルベストロフさんの「ウクライナへの祈り」だった。

 その後に演奏されたラベルやバルトークなどの曲に比べて短い曲ながら、それらに負けない強い印象を与えた。会場であるメディキット県民文化センターのホールの名前となった故アイザック・スターンさんがウクライナの出身であることにも、何か不思議な縁を感じた。

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2カ月半。ロシアの「対ドイツ戦勝記念日」であるきのう、プーチン大統領は式典でこの軍事作戦を「侵略への対応」「祖国の未来のため」などと、改めて正当化した。同記念日の前日にはウクライナの学校を空爆。民間人など約60人が犠牲になったという。

 出口の見えない戦争。しかし、長引くほどに国際社会の結束も強まっている。本県でも、さまざまな形でウクライナへの支援や連帯を示してきた。寄付に観光地などでのライトアップ、避難民を対象とした生活相談窓口の開設…。そしてもちろんこれからも。

このほかの記事

過去の記事(月別)