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発展要素に恵まれて

2021年9月14日
 最近はやりのキラキラネームとは年季が違う。本県で唯一の平仮名表記であるえびの市。今でこそ全国に平仮名や片仮名の市町村があるが、前身のえびの町が誕生した1966年当時は全国でもまれだった。

 任期満了に伴うえびの市長選は、現職の村岡隆明さんが4選を果たした。3期12年の実績や産業団地への企業誘致推進などの公約が評価されたのだろう。投票率は65・61%。過去最低だったのは残念だが、コロナで有権者が外出を控えたのも影響したと思われる。

 名称のほか、同市はいくつかの面でユニークだ。本県の河川は大抵東に流れて太平洋に注ぎ込むが、同市の川内川は西方に流れて東シナ海に。太平洋より東シナ海、南の錦江湾に近い。温泉街も本県では珍しい。カルデラ起源の加久藤盆地は、昔から良質米の産地である。

 古来、交通の要所。縄文・弥生時代の遺跡から2千年前には人々が住んでいたと分かる。戦国時代には、合戦の舞台になった。現在は熊本、鹿児島県境に位置し、九州自動車道、宮崎自動車道、JRは吉都線、肥薩線が交わる。空港は宮崎、鹿児島とも利用可能だ。つまり陸海空、交通の便がいい。

 えびの高原など観光資源も豊富。これほど発展要素に恵まれているのに、人口は1950年をピークとして年々減少している。村岡さんは、公約に新しい観光資源の開発や教育移住の推進も掲げていた。同市の真価がもっと広く企業や移住者に知れ渡るといい。

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