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金星は未来の地球?

2021年6月9日
 「中央線と総武線、東西線は三鷹から中野まで平行して走っている。しかし中野駅を過ぎたところで、三つの電車は別々の駅へ行ってしまう」。昨年亡くなった志村けんさんの著書「志村流」の一節である。

 同じ方向に進んでいたものが、途中のちょっとしたずれによって、全く違うところに行き着いてしまうことの例えとして使っている。人生においては往々にしてあることだ。だが人に限ったことではない。星の一生についても言える。地球と金星の関係がそうだ。

 46億年前に誕生した当時は「双子星」だった地球と金星。しかし金星が地球より4千万キロ太陽に近かったことや、他の天体が衝突したことでそれぞれの自転速度が変わったことなどにより生命に満ちあふれた星と、太陽系で最も生命が存在しにくい星の両極端に分かれた。

 以前は金星にも、地球と同じように海が存在したと考えられている。この説に迫る計画が近い将来行われる。米航空宇宙局(NASA)による、2機の金星探査機の打ち上げだ。2日に発表された。打ち上げ時期は、2028~30年。NASAが探査機で金星を調べるのは1990年代以来となる。

 太陽が10億年で約10%熱くなっていることから、金星の今の姿は遠い未来の地球ともいわれる。宇宙規模では少しの「ずれ」で全く違う運命をたどった二つの星は、最終的に同じレールの先に到着するのか。そんなことも考えつつ、探査の成果に期待したい。

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