ホーム くろしお

50年目の改良

2021年6月7日
 もうずいぶん昔の話。ある消費者団体が主催する懇談会を取材した。懇談会といっても、環境保護の観点から団体の会員である女性たちが食品メーカーやスーパーの代表者に「もの申す」という内容だった。

 最も問題視されたのがカップ麺。その”先駆者”「カップヌードル」の当時の容器は発泡スチロールだった。この改善を求められたメーカーの社員は苦笑しつつ答えた。「実は私どもも、カップ麺がこうも食卓で食べられるようになるとは思っていませんで…」。

 発売当時のCMを思い出すと分かる。何人もの若い男女が、野原や森の中で食べていた。「どこでも食べられる」が売りだったが、家の中で大量に消費されることまでは考えていなかったのかもしれない。この容器が紙になったのは、この懇談会のずっと後のことだった。

 そしてカップヌードル誕生50周年の今年、新たな発表が先日あった。お湯を注いだ後にふたを留めるシールを廃止するという。カップの下に付いているあの小さなシール。これを廃止することで、年間33トンのプラスチックが削減できるらしい。これに伴い開け口を二つにした新しいふたを採用する。

 日清食品がインターネットの動画で言っているように、容器が紙に変わったのに比べれば今回は小さな変化かもしれない。それでも各企業が目指すSDGs(持続可能な開発目標)は、こうした小さなことの積み上げであることを示す好例になるかもしれぬ。

このほかの記事

過去の記事(月別)