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縦のつながり守れ

2021年2月21日
 県の2021年度一般会計当初予算案は、新型コロナウイルスへ立ち向かう姿勢を鮮明にしている。同時に「ポストコロナ」を見据えて「つながりの再構築」を本県の将来像に掲げている点が関心を引いた。

 「密になることが難しい今こそ、心のつながりという観点から新しい豊かさを一から考え直した」(財政課)という。いろいろな形で「つながり」の具体化を目指しているが、事業引き継ぎ応援事業(2千万円)に注目した。いわば縦のつながりを守るための試みだ。

 製造業や飲食業など、多くの小規模な業者が県民の暮らしを支えている。しかし高齢のオーナーが1人で切り盛りする現場を見ると心配してしまう。引退すれば、長年培った技術が消滅する。地域にとって大きな損失だ。中小企業を悩ます事業承継の問題に県が乗り出す。

 県が行うのは全国でも珍しいのではないか。というのも事業承継は、市町村や地域の商工会などが相談に応じるケースが多いからだ。最近は金融機関も手掛けるがM&A(合併・買収)がメイン。事業承継は、親族や従業員のほか第三者も後継者になり得る。実情に応じたきめ細かい対応を求めたい。

 後継者対策が、移住者の受け皿になる可能性もある。地方回帰の機運が高まっても、いざ移住する際にネックとなるのが仕事の問題。移住者の希望と後継者を求める事業者の条件がマッチングすれば、人口減少対策にもなって一石三鳥の効果が見込めそうだ。

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