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夫婦別姓

2020年11月20日
 「お願いがあるのよ あなたの苗字になる私」。シンガー・ソングライターの平松愛理さんが1992年に出した「部屋とYシャツと私」の出だしの歌詞である。結婚を前に相手に気持ちを伝える女性の歌。

 「あなたの姓になる」という、結婚の遠回しな表現。だがそれは日本の話。この歌がヒットしたころ、欧州の多くの国ではすでに「夫婦の姓の選択」が自由化されていた。75年の国際婦人年、79年の国連の「女性差別撤廃条約」の採択などが契機になったという。

 大野菜穂美さんの「女の民法」という著書に総理府(現内閣府)が行った当時の調査結果がある。「夫婦別姓を認めるか」の問いに、87年は「はい」が13%で「いいえ」が66%。それが90年になると「はい」が30%で「いいえ」が52%。3年で容認派がかなり増えている。

 それから30年。早稲田大の教授と市民団体によるインターネット調査の結果が先日、発表された。それによると、夫婦別姓に理解を示した人は70・6%に上ったという。今月に入ってからは、橋本聖子男女共同参画担当相が会見で、また菅義偉首相が参院予算委で別姓に対して前向きな発言をした。

 この問題が、今後5年間の女性政策をまとめた「第5次男女共同参画基本計画」に盛り込まれるか注目されるが、今も反対の声は根強くある。これから議論を重ねていけばいいが、少なくとも問題を先送りや棚上げにできないところまできているのは確かだ。

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