ホーム くろしお

都農町制100周年

2020年8月1日
 以前、ワインの生産が盛んな山形県南陽市の小さなワイナリーを訪ねたことがある。宮崎県から来たと告げると店主が「へえ、業界の視察研修で去年都農ワイナリーに行った」と懐かしそうに話してくれた。

 果物の一大産地・山形から、遠く都農町まで訪ねた理由は何だろう。店主は「地球温暖化が進むとブドウ生産に悪影響が出る。元々温暖な九州で、都農が高品質なワインを造り続けている秘密を知りたかった」と答えてくれた。古里のいい評判を聞くと誇らしい。

 同町に住んでいたことがある。巨大な三角屋根の駅舎からまっすぐ延びる道、広大なブドウ園、なだらかな尾根の尾鈴山、堤防から見晴らす大海原。風景のすべてが強い光量に包まれ、開放的だった。そのせいか住民も外部からの人にも隔てがない、おおらかさがあった。

 1889年に児湯郡都農村と川北村が合併して都農村が成立。1920年8月1日に町となった。つまり今日、町制100周年を迎える。町史を見ると、日豊線・都農駅の開業は21年。ほぼ町史と重なる。戦争中の空襲、リニアモーターカーの実験線建設などいろいろな出来事があって今日がある。

 人気の道の駅「つの」を訪れた。山から海まで農産物や加工品の種類の多さがうれしい。新型コロナで大変な時期にあるが、10年前には口蹄疫を乗り越えた。町の強みである風土の多様性とワインを生んだ逆転の発想で、今後も発展を続けると期待している。

このほかの記事

過去の記事(月別)