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町に明るさを

2020年6月28日
 「雨の後には、太陽の光が来る」。そんな作品名の付いた絵画の大作が宮崎山形屋で開催中の「山本祐嗣の世界」(30日まで)の中央に飾られている。油彩やアクリル、顔料などで描いたミクストメディアだ。

 県美術協会会長・山本祐嗣さん(61)の個展。赤と白で区画された画面に、山本さんがよくモチーフとする花や果実が描かれ、作品名となったドイツ語の格言が記されている。新型コロナウイルスの感染拡大で疲弊した世相に明るさを取り戻そうと、一気に描いた。

 「まだ気を付けないといけないのは確かだけど、何でも自粛を強いる空気にノーと声を上げるのがアーティストの務め」。マスク越しに山本さんは語気を強める。文化行事が突破口となって町が明るくなれば、地域経済も好転するという希望を込めて個展の開催を決めた。

 弊社のカレンダーを掛けている人は気付くと思うが、6月の写真は新富町産のライチ。初めて食べる機会があった。一般に出回る外国産より一回り大きい。赤い皮は簡単に手でむける。白く盛り上がる果実にかぶりつくと、ジューシーで上品な甘さが口に広がった。きっと都会のグルメにも受ける。

 説明書によると、主産地アジア諸国の果実は害虫防除のため蒸気による熱処理などを施していて、本当の生の果実は国産だけとか。徐々に飲食店が活気を取り戻せば、高価な果実も人々の心を潤すのに一役買うはず。心の大事な部分は過度に自粛したくない。

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