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教科書を塗り替える

2020年6月20日
 歴史的な発見や科学上の発明があると、よく「教科書を塗り替えるような」といわれる。実際に変わったのか気付かないままが多いのだが、確かめる機会があった。県内8カ所で開かれている教科書展示会。

 その一つ宮崎市立図書館を訪ねた。確かめたかったのは「チバニアン」。77万~12万6千年前の「千葉時代」を意味する。1月、国際学会で正式に命名が決まったばかりだ。社会の教科書を見るがない。中学1年理科を調べたら「あった!」と声を上げそうになった。

 出版社5社のほとんどが掲載。この時代に地球のN極とS極が入れ替わったことや、それがよく分かる地層が千葉県市原市にあることなどがまとめられている。地質年代に日本に関係する名が付いたのは初めてだ。ただ「このくらいの扱いか」と少々期待外れでもあった。

 しかし厳格な教科書に複数記述されることで、事件や事象の位置づけが修正されて、客観的になるのは望ましい。展示会では他にうれしい発見があった。地理の教科書に、広島カープのキャンプ地・日南市の取り組みが先進例として大きく紹介されていたこと。真っ赤に塗られた駅舎の写真もある。

 約3カ月の遅れでようやくプロ野球が開幕した。キャンプの盛んな本県では待ち望んでいたファンが大勢いる。新型コロナウイルスの大流行は確実に教科書の記述に付け加えられるはずだが「すぐに人々は明るさを取り戻した」と付記されることを望みたい。

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