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「政界島」の安倍内閣

2020年5月31日
 先日発表された、第2回「小学生がえらぶ!”こどもの本”総選挙」で連覇を遂げた「ざんねんないきもの事典」。監修した動物学者の今泉忠明さんは「わけあって絶滅しました。」という図鑑も出している。

 タイトル通り、絶滅した生き物を集めた本だ。例えばハトの仲間のドードーという鳥。天敵のいないアフリカ近くの島で長い間暮らす中、いつしか飛んだり走ったりする能力を失ってしまい、約400年前、人間が島に入ってきたときに逃げ切れなかったという。

 また、上昇気流にのみ依存して飛んでいたアルゲンタビスという鳥は、気候変動により同気流が弱まると、飛べずに絶滅した。さて、何かと失点続きの安倍内閣である。長い間、さしたる敵もいない「政界島」に君臨し、数の力を上昇気流として、安定飛行を続けてきた。

 だが「1強」といわれたわが世の春が長く続く中、ドードーと同じく有事への対処能力が弱まったか。最近の世論調査では57・5%が新型コロナウイルスへの政府対応を「評価しない」と答えた。さらに検察庁の人事をめぐって大きな批判を浴び、内閣支持率も以前と比べずいぶんと下がっている。

 今や、どこにも上昇気流を見いだせないありさまだ。今泉さんは、人間が絶滅に立ち向かうための武器として「学んで考えること」を挙げている。コロナ禍の出口はまだまだ遠く、政治の停滞は許されない。謙虚にこれまでの失敗に学び考える時にきている。

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