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新聞をヨム日

2020年4月6日
 今日から1週間は「春の新聞週間」。日本新聞協会が2003年に定め、初日の4月6日を「新聞をヨム日」とした。記念日というわけではなく、数字の語呂だが「読む」を「ヨム」としたのはどこか意味深い。

 広辞苑で「よむ」を引くと「読む」のほか詩歌を作ったり詠じたりする「詠む」の漢字が出る。漢字が付く前は同じヨムだった。谷川健一著「うたと日本人」によるとヨムは「月よみ」や「日よみ(暦)」のように数を数えることで、できる人がモノシリ(物知り)だ。

 ヨムは神託、つまり神の意をヨム仕事へと比重が移っていく。今も奄美や八重山の言葉で神の言葉を指す「ユングトゥ」はヨミゴト(誦み言)の意味という。「謎めいた表現や不透明な言葉をつぶやく程度」だったヨミゴトが韻律を伴って、神へ訴えるウタ(歌)へ発展する。

 現代なら、神意を世の中の事象の真意と読み替えて、ヨムの意義を再生してもいいかもしれない。種々雑多な情報が飛び交う中で新聞はニュースの本質をずばり提示することで、結局は時間を節約できる。新型コロナウイルスに関してフェイクニュースが飛び交った昨今はなおさら使命を痛感する。

 今は異動のシーズン。転居がきっかけで新聞購読が途切れることもあるため、引き続き購読を続けてほしいという願い、また新生活を始める大学生にこれから読んでほしい期待もあって新聞週間が設けられている。先の見えない時代にヨム大切さを伝えたい。

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