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まあだだよ

2020年2月17日
 黒澤明監督が内田百月と門下生たちとの交流を描いた「まあだだよ」のメインシーン。宴会は学芸会になり百月先生の「オイチニの薬屋さんをやろう」という提案に全員待ってましたと列を作って踊りだす。

 「オイチニの薬は日本一 オイチニの薬を買いなさい」の掛け声で勢いをつけてから百月先生得意の毒舌が飛び出す。「薬の効能数々あれど ばかは死ななきゃ治らない 贈賄収賄手を振って 正々堂々ハイどうぞ」(都築政昭著「黒澤明一作一生 全三十作品」)。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件で、収賄罪で起訴された衆院議員が保釈後、記者会見を開いた。「賄賂一切ない」と話し、裁判で無罪を主張していく考えを明らかにした。体調を整えた上で、3月には国会に復帰し、活動を再開するとも述べた。

 議員辞職しないのなら国会出席は当然としても、証人喚問には「裁判に専念させていただきたい」と及び腰。IR事業参入を目指していた中国企業から振り込まれた200万円は講演料、北海道旅行等の費用は「元秘書に支払いを指示していた」と追及をかわす構えだが納得する人はいるだろうか。

 毒舌の即興歌は「疑獄極楽蟻(あり)地獄 それでも懲りない面々は」と続き、「まあだかい」「まあだだよ」の合唱で沸き返る。つける薬はなさそうな元内閣府副大臣の裁判を注視しながら庶民の大合唱で阻止したいのは贈収賄が大手を振ってまかり通る事態である。

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