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昭和天皇が好きだった力士

2020年2月11日
 大相撲ファンだった昭和天皇から文相時代の森喜朗元首相はこんな質問を受けた。「高見山はなぜやめたのかね」。十両から幕下へ落ちることが決定的になった高見山関は「名誉を重んじた」と森氏は説明した。

 「残念だったろうな」とうなずく天皇に、森氏は「陛下は高見山がお好きなのではありませんか」と尋ねてみた。これに「うん?大変に関心を持っておるんじゃ」とだけお答えになり、好きとは明言しなかった(岩見隆夫著「陛下の御質問昭和天皇と戦後政治」)。

 大相撲初場所は幕尻の徳勝龍関が初優勝するなど全国的には盛り上がったが、宮崎県民には残念な場所になった。延岡市出身の琴恵光関が大きく負け越し、来場所は十両から再スタートの見通しとなったからだ。場所前に脇腹を痛めて、体重も10キロほど落ちていたという。

 千秋楽に琴恵光関を取材した本紙記者によると、冷静に結果を受け止め「体をつくり幕内に戻って相撲を取りたい」と捲土(けんど)重来を期していたそうだ。また徳勝龍優勝について「誰にでも優勝するチャンスがあるということ」と前向きだった。けがを治し、十分、けいこを積んで本懐を遂げてほしい。

 昭和天皇に好きと明言されれば高見山関の周辺は大騒ぎになったはず。曖昧な答えの裏に深い配慮があった。天皇とは違い、おおっぴらに応援できる立場の私たちである。県勢唯一の関取の幕内復帰を後押ししたい。夢は千秋楽で宮崎牛1頭分を手にする姿。

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