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すさまじい地震エネルギー

2020年1月20日
 どういう地殻の動きがあれば、これほど複雑な地形になるのか。まっすぐだった道路が丁字のようにねじれてでこぼこしている。もし車で走行中、こんな道路の異変に遭遇したら生きた心地はしないだろう。

 大都市を直撃し6434人の命を奪った阪神大震災から25年がたった。M7・3、最大震度7を記録した地震は活断層である野島断層が動いたことで発生。兵庫県北淡町(現淡路市)内に現れた断層のずれをありのままに保存・展示する北淡震災記念公園を訪ねた。

 国の天然記念物。断層は隆起したり沈下したりしたため複雑な地形になった。断層上でゆがんだ民家も残されているが、地震エネルギーのすさまじさに息をのんだ。ちなみに淡路島に渡る際に通った明石海峡大橋は、震災時には工事中だったが、長さが1メートル伸びたという。

 淡路島でも62人の死者が出るなど被害は甚大だった。島を回って気付くのは再建した集落の町並みが違っていること。住民によると採用した事業が違うためで、ゼロから区画整理した集落もあれば、漁村らしい細い路地をそのまま残した集落もある。いずれにしろ住民の意見集約は難航したそうだ。

 公園の一角にコンクリートの「神戸の壁」が保存されている。元は神戸市にあった公設市場の防火壁で、戦時下の神戸大空襲にも大震災の地震と火災にも耐えた。風雨にさらされても毅然(きぜん)と立つ姿には、記憶の風化を許さない決意が込められているようだった。

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