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【先駆者たち・持続可能なくらしへ】-3-「当たり前」問い直して

2020年11月19日
人権と多様性の尊重を訴える 県男女共同参画センター所長 山田 成美さん(宮崎市)

 オフィスの壁に「持続可能な開発目標(SDGs)」の17の目標が掲示されている。性別に関わらず、個性と能力を発揮できる社会を目指す宮崎市・県男女共同参画センター。SDGsを新たな切り口に啓発活動を展開している。子どもたちがゲームを通してSDGsを学ぶ催しを開いたり、広報誌で特集したり。

 学校や企業などから要望を受けて行う研修会のテーマにも「SDGsがめざすジェンダー平等」を加えた。依頼が増え、所長の山田成美さんは「人権や多様性が尊重される地域づくりが前進するのでは」と期待を抱く。

 ▼政治や経済で遅れ

 国連で32年働き、発展途上国の開発援助プログラムの立案や運営などに当たった。2013年に帰郷し18年から現職に。久々に住む古里は女性の首長がおらず、議員も、行政や企業の管理職にも少なかった。長年の海外生活とのギャップを感じた。

 各国の男女格差の度合いを示すジェンダーギャップ指数で、日本は昨年153カ国中121位と過去最低を記録。先進国では最下位で、中でも政治、経済分野の遅れが著しい。「日本全体も宮崎も、性別による役割分担意識が依然として強く残っている」と説明する。

 そんな中、活用したいと語るのがSDGsだ。達成状況が評価される仕組みがあり、日本は「ジェンダー平等を実現しよう」などの目標で遅れが指摘されている。「SDGsという世界共通の物差しを使って現状を客観的にみれば、当たり前としてきた光景も見直せるのではないか」と話す。

 ▼地球市民として

 県内で特に憂えているのはリーダー的役割に女性が少ないことだ。例えば校長や教頭など学校管理職に少なく、子どもたちに「組織トップは男性が就くもの」と刷り込まれていないか気になる。

 また避難所運営など地域防災や、貧困の中孤立する家庭への支援など、政策決定の過程にさまざまな立場の人が加わることを願う。「女性、性的少数者(LGBTなど)、障害者、外国人ら多様な人の視点や力が発揮されれば、宮崎はもっと暮らしやすく、生き生きとしたまちになるはずだ」

 客員教授を務める宮崎公立大の授業でもSDGsを題材にする。学生には「まずはあなたがあなたらしく主体的に生きて。そして地球市民としてSDGsに関わり行動してほしい」と伝えている。

【写真】紫のリボンがシンボルマークとなっている「女性に対する暴力をなくす運動」真っ最中。「一人一人が大切にされる社会を」と山田成美さんは願う=宮崎市・県男女共同参画センター

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