県内の強豪がひしめく第78回全日本アマチュア将棋名人戦県大会で5連覇中の前名人を破り、新たに県名人となった。広島県三次市出身の宮崎大2年生。これまで3度同県代表として全国大会に出場した経験を持つが「棋力の高い相手に勝てて涙が出るほどうれしい」と喜ぶ。
家族で楽しむボードゲームの一つとして、将棋があった。父や祖父と対局しているうちに、その面白さに魅了され、小学1年生の頃から将棋教室へ通う。
すぐに頭角を現し、3年生の時には小学生を対象とした県大会で優勝を果たす。しかし全国大会では全敗。その悔しさをばねに、年上との対局を重ねて研さんを積んでいった。
中学ではソフトテニス部に入部。メンタル面も鍛えて臨んだ1年の全国中学生選抜将棋選手権大会ではベスト16入り。続く文部科学大臣杯では、同じ将棋教室の仲間と団体戦に出場し2連覇を成し遂げた。高校でも全国大会上位の常連で、大学入学後も2024年度春季九州学生将棋大会で優勝した実力者。
「粘って粘って勝負する」が持ち味。今大会でも厳しい場面が何度もあったが、そのたびに局面を複雑にして粘りを見せた。勝ちが見えてきた終盤には、興奮で指先が震えた。
大学ではサーフィン部に所属し、週に1回は海に出る。ギターや書道も得意。「将棋で結果を出せているからこそ、それが成功体験となって、いろんなものに挑戦できている」
9月に開かれる全国大会に向け、夏休みは研究に没頭する予定。教員を夢見る宮崎市在住の19歳。