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県内初の公立夜間中学「宮崎市立ひなた中学」の校長に就任した 渡会洋一(わたらい・よういち)さん

2024年5月1日
 「一人一人の違いを理解し認め合い、支え合えるひなたのような温かい学校にしていきたい」。学校に通えなかった人らのために宮崎市が設けた中学校の開校式で、入学者を含む約60人を前に、英語を交えながら力強くあいさつした。

 京都外国語大を卒業し、1989年に中学校教員に。大塚、生目台、大宮、宮崎北中などを経て現職に就いた。2021年度には島野浦中(現島野浦学園)で最後の校長も務めた。

 さまざまな過去を経験した上で仕事もある中、「学び直したい」と行動を起こした17人の生徒たち。「礼儀正しく、学びに対する意欲と情熱が、学校での真摯(しんし)な態度から見て取れる」。年齢層は10~70代と幅広いが、学ぶ者同士として互いに尊重し合っているという。職員には「敬意を持って接しよう」と呼びかけた。

 授業は1人で行わず複数の教職員がサポート。「新聞が読みたい」「高校進学を目指す」など生徒の実態、希望に応じて、可能な限り支援していく。

 「満足度を高め、成功体験ができる学校にしたい」と、10月入学の生徒募集をスタートさせるなど生徒獲得にも力を注ぐ。「4月入学には間に合わなかったが『次こそは』という方がいらっしゃるはず。ぜひ積極的に門戸をたたいてほしい」と訴える。

 趣味は26年目を迎える愛車での週末ドライブ。バイクを購入し、生徒たちと同じように「第二の青春をスタートさせたい」と夢を描く。3人の子どもは成人し、妻と市内で暮らす。串間市出身。59歳。

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