3月に発足した小林市消防団ドローン隊の初代隊長に就任した。消防団によるドローン運用は県内初とあって周囲の期待は大きく、「短時間で広範囲を捜索できる特性を生かして活動したい」と意気込む。
5年ほど前に趣味でドローンを始め、団員との雑談で「団活動に使えるのでは」となった。試験的に捜索現場で使うと、川沿いや山あいで歩いて行くのが難しい場所にも、ドローンは難なく到達。視界の悪い、背の高い飼料作物の畑でも、上空から見れば一目瞭然だった。このため4年前に所属する第9分団第4部が独自にドローンを導入し、今回の発足につながった。
本業は市西部地域包括支援センター長。行方不明になった高齢者の捜索が一刻を争うことはよく分かっている。ドローンなら広いエリアを素早く少人数で捜すことができ、「捜索範囲を絞り込むなど、効率性が大きく向上した」。災害や山林火災の際は、被害規模の把握など情報収集や団員の安全確保にも役立てていく計画だ。
消防団員はそれぞれに仕事をしているため、都合で出動ができない場合もある。このため3人で発足した隊を今後は増やしていきたい考えで、すでに入隊希望者も数人いるという。「消防団は若くないとできない思われがちだが、ドローンの操縦は機械操作が得意なら年齢を問わない。団員を増やすきっかけにもなれば」
えびの市出身で妻と子ども2人と暮らす。子どもの野球チームの送別会では、自ら編集した試合などの動画を上映して喜ばれた。44歳。