本県の「宮崎ブランドポーク」を生産しており、グランドチャンピオン(優等1席)獲得は4年ぶり。「年間を通していい豚をつくる。(獲得は)当初からずっとやってきたことの延長上にある。さらにいい豚をつくっていきたい」と穏やかな語り口に生産者としての意識の高さがにじむ。
木城町出身。繁殖から出荷まで一貫経営の養豚農家で育ち、両親の手伝いをした。高鍋農業高から宮崎市の専門学校に進み、同市の土地家屋調査士事務所で約10年働いた。退職後の2010年1月、実家で就農。この年の4月以降、県内で家畜伝染病・口蹄疫の感染が拡大するとは思いもしなかった。飼育していた約千頭の豚が犠牲になり、「みるみる広がった。家業の怖さを知った」。今年8月、佐賀県で豚熱感染が確認され、本県でも感染予防のためのワクチン接種が進む。自社では今月中に終える予定で、一層の防疫に努める。
家族経営する「カツモト」の社名は社長である父・勝元さん(72)の名前に由来する。口蹄疫後、自社による肥育一本に転換。現在では木城町内2カ所の農場で年間約4500頭の豚を出荷する。豚の健康管理のほか、適切な出荷時期の見極めに気を使う。生後80日弱・体重30~40キロの子豚を一度に導入し肥育するが、個体差があり、出荷のタイミングが一頭一頭異なるためだ。
趣味はバイク。購入した1950年代製造のハーレーダビッドソンにパーツを取り付け既に完成しているが、新農場建設など多忙でまだ乗っていない。同町椎木で家族4人暮らし。46歳。