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宮崎労働局長になった 坂根登(さかね・のぼる)さん

2023年5月22日
 「慢性的な人手不足と若者の県外流出が本県の課題。県民がやりがいを持って働ける環境整備に最善を尽くす」。本県の労働行政を統括する機関のトップに就いた。口にする意気込みに気負いはない。

 1983(昭和58)年に東京労働基準局に採用され、2年後に旧労働省に入省。主に労災補償分野を歩んできた。本県の労災死亡事故件数は昨年が18件(前年比5件増、速報値)で、九州では福岡県に次ぐ多さ。「朝、普通に出勤した家族が労災事故で遺体になって帰ってくる。その悲惨さはない」と語り、防止策の徹底に力を注ぐ。

 2020年に赴任した千葉労働局の総務部長時代は、コロナ禍で爆発的に増えた雇用調整助成金の給付業務に奔走。22年に厚生労働省労働基準局労災保険業務課の初代デジタル化推進室長に就任し、省内の業務デジタル化に取り組んだ。

 ポジティブさが取りえで、仕事では苦労を1人で抱え込まないよう部下に説く。「失敗しても『それでは成功しない』と気付けてよかったと思えばいい。ワクワクしながら仕事をしてほしい」

 生まれは岡山県だが転勤が多く「地元という地元はない」。入省後、専修大(東京都)の夜間部を卒業した。千葉市に妻(58)と大学生の次男(20)を残し宮崎市に単身赴任。体を動かすことが好きで、40代から続けている週3回のジョギングと昼食後のウオーキングが習慣。昨年は100キロのコースを歩く大会に挑戦し、21時間かけて踏破した。温泉巡りが趣味の58歳。

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