高千穂町は国や県などと協力し、20、21日の2日間、観光シーズンの交通渋滞の解消や回遊性向上に向けた社会実験を実施している。高千穂峡内では、低速の電気自動車「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」を初めて運行させた。
新型コロナウイルス感染拡大前には年間約140万人が訪れていた同町。紅葉シーズンやゴールデンウイーク(GW)には渋滞が発生し、住民生活にも影響を及ぼしてきた。観光客が高千穂峡に一極集中するため、周遊を促す仕掛けづくりも課題となっている。
社会実験では、車で訪れる観光客に特設サイトを通じて空きのある駐車場情報をリアルタイムで提供。環境に優しいグリスロを試すほか、周辺の各駐車場や観光地を結ぶ循環シャトルバスを15分間隔で走らせた。
20日の開催式では、甲斐宗之町長ら関係者がグリスロの前でテープカットし、第1便が出発=写真。甲斐町長は「観光公害を解消し、訪れた方がストレスなく観光できる交通システムを構築したい」とあいさつした。
実験は国土交通省の事業を活用して実施。結果を検証し、来年のGWに予定する第2弾の実験に生かす方針。
【写真】高千穂峡内で初めて運行したグリーンスローモビリティの前でテープカットする関係者