都城市庄内町の願心寺(大河内隆之住職)は、家計が苦しい子育て世帯の助けになればと「あおぞら野菜市」を年2回開き、益金を寄付している。野菜は地元農家が寄贈し、ボランティアも協力。3年目となる今年初の野菜市は、同寺近くの広場で今月あり、多くの人が訪れた。
野菜市は、副住職の大河内隆樹さん(32)がニュースで県内に貧困世帯が多くあると知ったことがきっかけ。幼稚園副園長も務める隆樹さんが困っている子どもを支援しようと、野菜生産が盛んな地元の農家に協力を依頼した。法人を含めた生産者らが賛同し、2021年9月に第1回を開催。以来、12月に2回分の益金を市内の支援団体に寄付している。
今月15日の野菜市は、会場設営や事前のチラシ配布、販売など地域住民や寺の門徒が協力。会場にはナスやゴーヤー、ゴボウ、トウモロコシなど新鮮な野菜がどっさり並び、500円詰め放題の袋に来場客が次々と詰めていった。同市・西小5年の前田杏美凛(あみり)さん(10)は「寄付金が都城の子どもたちのためになればうれしい」と話していた。
昨年の寄付では「クリスマスケーキを買えました」との感謝の言葉が寄せられたという隆樹さん。「協力者に感謝。地域の交流の場にもなるし、取り組みの輪をもっと広げたい」と思い描く。次回は11月予定。
【写真】子どもたちを支援しようと、願心寺が開いた「あおぞら野菜市」