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検証 河野知事1年

(1)行政運営

2012年1月1日
■手堅く無難な調整型

 「大きな混乱もなく円滑に県政を引き継いだ。総合計画アクションプランも策定し、経済団体などとの対話も復活した。今後の県政運営のレールを敷くことができた」

 就任から1年をこう自己分析するところに、「手堅く無難」と評される知事河野俊嗣(47)の“らしさ”が凝縮されている。

 裏を返すと、派手さはない。全国知事会での公の発言はほとんどない。ソフトバンク社長孫正義が主導する自然エネルギー協議会でも前に出ることはなく、太陽光発電のトップランナーを目指す本県の存在感を示せなかった。
   
◇     ◇

 県内経済の活性化対策をまとめた「みやざき元気プロジェクト」のように、河野は自ら名付けたキャッチフレーズと趣旨だけを示し、職員が県庁内外の意見を積み上げて施策、事業を形成する調整型の行政運営を貫く。細かな指示がないため、立案を担う職員は仕事がしやすいようだ。加えて、意見の積み上げは利害調整にもなり、各方面に配慮したそつのない施策や事業につながる。

 語り口もあくまでソフト。あらゆる可能性に言及するため説明が長く、「官僚的」との指摘がつきまとう。そのせいか県議会でも丁々発止の論戦に発展せず、社民党のベテラン鳥飼謙二は「カラーのないところがカラーなのかもしれない」と皮肉を込める。
   
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 「対話と協働」を掲げ、2010年12月の知事選で圧勝した河野。市町村長との意見交換、一般県民対象のフォーラムを続けるほか、昨年6月には経済11団体との意見交換会も開き、対話に力を注ぐ。県町村会会長で椎葉村長の椎葉晃充は「対話は前知事時代と比べ、はるかに進んだ。率直に、真剣に議論できる場ができた」と評価する。協働においても市町村と連携し、東日本大震災の被災地支援で実績を残した。

 ただ、どのような宮崎にしたいのか。連合宮崎会長の横山節夫は「何のアクションもなく、何を考え、何をしたいのかつかみようがない」と困惑し、「熱意が伝わる行動力とリーダーシップが必要ではないか」と注文。JA宮崎経済連会長の羽田正治も「事務方の発想の及ばないところを担い、決断するのが政治家の仕事。その部分はまだ物足りない」と苦言を呈する。

 県議会や国、地元メディアなどとの対立構図をつくり出すことで発信力、求心力を高めた前知事東国原英夫とは対照的に、穏やかな「オール宮崎」をつくろうとする河野。どんな政治家像を思い描いているのだろうか。(敬称略)
   
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 河野知事が21日、就任から1年を迎える。この1年間を検証し、今後の県政運営を占う。

【写真】「今後の県政運営のレールを敷くことができた」と就任1年を振り返る河野俊嗣知事=県庁知事室

(1)行政運営2012年1月1日付
(2)口蹄疫復興2012年1月3日付
(3)「人財」づくり2012年1月4日付
(4)「くらし」づくり2012年1月6日付
(5)「産業・雇用」づくり2012年1月7日付

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