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2012県内10大ニュース

復興へ将来へ明るい光

2012年12月29日
 自然の驚異に翻弄(ほんろう)された近年に比べ、2012年の本県は明るいニュースに恵まれた。長崎県で開かれた第10回全国和牛能力共進会では本県チームが史上初の連続日本一に輝き、口蹄疫からの復興を全国に発信。ロンドン五輪では延岡市出身で男子競泳の松田丈志選手(28)が2個のメダルを獲得した。綾町を中心とする地域が7月にユネスコエコパークに登録されるなど世界に誇れる話題も。セガサミーホールディングスはフェニックスリゾートを子会社化し、今後の経営に注目が集まる。衆院選や東九州道の2区間開通など、本県の将来を左右するニュースもあった。一方、年の瀬には日南市南郷町の病院でノロウイルスによる感染性胃腸炎が集団発生し、死亡者が出た。宮崎日日新聞社が選定した十大ニュースで一年を振り返る。(年齢、肩書は当時)


史上初の宮崎牛連続日本一


 畜産王国の底力を証明-。10月に長崎県佐世保市などで開かれた全国和牛能力共進会(全国和牛登録協会主催)で、本県は9区分中5区分で優勝に当たる優等首席を獲得したほか、7区(総合評価群、7頭一組=種牛(しゅぎゅう)4、肉牛3)で最高賞の内閣総理大臣賞に選ばれるなど、史上初となる2大会連続の日本一に輝き、口蹄疫禍から2年余りでの復興を全国に広くアピールした。

 長崎大会には38道府県から480頭が出場。本県からは延べ331頭が挑んだ県予選を勝ち抜いた28頭が戦いの舞台に立ち、2、3区(若雌)、4区(系統雌牛群、4頭一組)、7区、9区(去勢肥育牛)の5区分で優等首席に選ばれた。また、各区分の上位6席までに与えられる点数の合計で競う「団体賞」でも1位となった。

 県は11月23日、口蹄疫からの復興を全国に発信したとして、JAなど24団体でつくる「第10回全国和牛能力共進会県推進協議会」(会長・平木場宗一全国和牛登録協会県支部長)に県民栄誉賞を贈った。

 全共は5年に一度、和牛の改良成果を競う大会で、「和牛のオリンピック」とも呼ばれる。種牛(種雄牛と繁殖雌牛)、肉牛の2部門があり、性別や月齢などで分けた9区分で、牛の外見や肉質の優劣を争う。本県は5年前の鳥取大会でも、9区分中7区分での優等首席獲得に加え、種牛、肉牛両部門で内閣総理大臣賞を受賞、日本一となった。

【写真】全国和牛能力共進会で連覇を達成し、喜びに沸く本県関係者たち=10月29日、長崎県佐世保市のハウステンボス


衆院選、自民が県内小選挙区独占


 第46回衆院選は12月16日投票、即日開票され、本県は自民党が県内全小選挙区を独占し、保守王国の底力を見せた。民主党は政権運営に厳しい審判が下され2議席を失った。

 候補者6人が立った宮崎1区は自民新人で元県議の武井俊輔氏(37)が、民主前職の川村秀三郎氏(63)=国民新推薦=らを破って初当選。2、3区はいずれも自民前職の江藤拓氏(52)=公明推薦、古川禎久氏(47)=公明推薦=が共に4選を果たした。自民公認候補が県内全小選挙区を独占したのは、現行の小選挙区比例代表並立制が始まった1996年以降、3回目。

 1区で落選した日本維新の会元職で元国土交通相の中山成彬氏(69)は重複立候補していた比例代表九州ブロックで復活し、7回目の当選。国政復帰は3年3カ月ぶり。

 また本県関係の候補者は、中国ブロックから立候補した自民新人で元自治相の上杉光弘氏(70)、近畿ブロックから立候補した日本維新の会新人で元知事の東国原英夫氏(55)がそれぞれ初当選した。

【写真】衆院選で支持候補の勝利を目指し、気勢を上げる支持者たち=12月4日、宮崎市神宮東


五輪、競泳松田選手2個のメダル獲得


 ロンドン五輪で延岡市の松田丈志選手(28)=コスモス薬品=が、競泳男子200メートルバタフライで銅、400メートルメドレーリレーで銀に輝き、2個のメダルを獲得した。

 第5日の7月31日(日本時間8月1日)、200メートルバタフライで、1分53秒21をマークし、北京五輪に続き銅メダルを獲得。後半追い上げたが、トップに0秒25届かなかった。

 競泳最終日の8月4日には400メートルメドレーリレーが行われ、日本は男子がこの種目3大会連続のメダルで過去最高となる銀。バタフライの松田選手が2個目のメダルを獲得した。

 同16日、生まれ育った延岡市に帰郷、市街地で凱旋(がいせん)パレードを実施。北京に続く五輪で2大会連続のメダル獲得の偉業をたたえ、9月11日には県民栄誉特別賞を受賞。松田選手を24年間指導してきた久世由美子コーチ(65)=同=には知事感謝状が贈られた。

 400メートルメドレーリレーでチームの北島康介選手に対し松田選手がコメントした「手ぶらで帰らせるわけにはいかない」が、今年話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」に12月、選ばれた。

 同11日には東京都内で記者会見し、二人三脚で歩んできた久世コーチの下を離れ、東京を拠点に現役続行することを明らかにした。

【写真】沿道に詰めかけた大勢のファンに笑顔で手を振り声援に応える松田丈志選手と久世由美子コーチ=8月16日、延岡駅前


綾ユネスコエコパーク登録


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は7月11日、綾町を中心とした地域をユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に登録することが正式に決まったと発表した。

 同町全域と小林、西都市、国富町、西米良村の一部にまたがる総面積1万4580ヘクタール。自然を厳重に保護する「核心地域」(682ヘクタール)、教育や学術研究に活用する「緩衝地域」(8982ヘクタール)、人が生活する「移行地域」(4916ヘクタール)に分かれる。

 ユネスコは国内最大規模の照葉樹林が残っていることや、循環型農業の推進など人と自然が共生している点を評価した。国内では屋久島(鹿児島県)など4カ所が登録された1980(昭和55)年以来、32年ぶり5カ所目で、地方自治体からの申請が登録されたのは国内初。

 同町は登録を生かした町づくりを進めるため11月、専門家らでつくる「綾ユネスコエコパーク専門委員会」を設置。2013年には住民らが参加する「綾ユネスコ町づくり協議会」、全体を管理運営する「綾ユネスコエコパーク地域連絡協議会」を設置し、14年度までに「綾ユネスコエコパーク基本方針」を策定する予定。

【写真】ユネスコエコパークに登録が決定した綾町一帯のつり橋付近=5月2日


ノロウイルスで6人死亡


 県は12月23日、日南市南郷町の医療法人春光会東病院(加藤久仁彦院長、64床)でノロウイルスによる感染性胃腸炎が集団発生し、14~22日に78~88歳の男性入院患者6人=いずれも日南市=が死亡したと発表した。このほか76~90歳の入院患者5人が重症で、このうち1人は状態が回復した(28日現在)。県内医療機関からの、ノロウイルスによるとみられる感染性胃腸炎患者の報告数は平年を上回るペースで推移。県などが警戒を呼びかけていた。

 県によると、県内での死亡例は2010年12月以来で、今季の集団感染による死者数としては全国で最多。同病院は17日から外来診療を休診している。

 県や同法人の宮路重和理事長によると、死亡したのは70代が1人、80代が5人。12日に最初の発症が確認され、14日に78歳の患者が死亡。17日に2人、19、21、22日に1人ずつ亡くなった。嘔吐(おうと)物が気道に逆流して肺炎を引き起こす誤嚥(ごえん)性肺炎が死因という。

 同病院では、23日までに入院患者と職員合わせて44人が発症しており、うち入院患者5人からノロウイルスを検出。同病院は17日、日南保健所にノロウイルスの集団感染を報告したが、死亡者が出ていることは伝えていなかった。

【写真】ノロウイルスによる集団感染が発生した医療法人春光会東病院=12月23日、日南市南郷町東町


東九州自動車道2区間開通


 東九州自動車道の2区間が12月に相次いで開通。これを祝う式典が各地で催されるなど、「悲願の道」の開通を心待ちにしてきた多くの県民が沸いた。

 須美江―北川(5.6キロ)、北川―延岡(12.8キロ)は同15日に開通。須美江―延岡の所要時間が一般道と比べ半分の約15分に短縮された。

 都農―高鍋(12.9キロ)は同22日に開通、都農町から宮崎空港までの所要時間が55分となり、国道10号などを利用した場合と比べて約30分の短縮となった。

 東九州道はこのほか、清武ジャンクション(JC)―清武南(1.2キロ)も本年度中に完成する見込み。また、2013年度予定の日向―都農(20キロ)が開通すると、延岡―宮崎が高速道で結ばれることになる。16年度中には北九州市から宮崎市までの全区間が開通する見通し。交流人口増による地域経済の活性化や、都市部にある高度医療機関への迅速な救急搬送など、さまざまな面での効果が期待される。

【写真】東九州道都農―高鍋の開通を祝う関係者ら=12月22日、川南PA


古事記編さん1300年キャンペーン


 古事記編さん1300年を記念し、県内各地で「古事記イヤー」関連のキャンペーンが行われた。西日本の古事記ゆかりの地をめぐり神話のふるさと宮崎をPRする「神武天皇ご東遷キャンペーン」(9月10~16日、宮崎市観光協会主催)や、神武天皇東征の出発の地とされる日向市美々津をPRする「ひゅうがお舟出プロジェクト」など、各自治体がイベントを実施。11月定例県議会本会議では議員らが古代衣装を身に着け議会に参加するなど、県を挙げて盛り上げた。

 また、県は今年から9年間にわたり記念事業「神話のふるさと みやざき温故知新ものがたり」を展開。一環として1月から、宮崎市の江田神社や、西都市の西都原古墳群などを巡るバスツアー(県、みやざき観光コンベンション協会主催)を行っている。

【写真】現地ガイドの話を聞く、古事記編さん1300年記念バスツアーの参加者=1月7日、宮崎市・青島神社


ドクヘリ運航開始


 宮崎市清武町の宮崎大医学部付属病院(池ノ上克病院長)は4月18日、医師や看護師がヘリコプターで救急現場に急行し、救命にあたるドクターヘリ(ドクヘリ)の運航を始めた。ドクヘリ導入は全国の都道府県で29番目。運航に先立ち同9日、拠点にもなる県内3カ所目の救命救急センター(落合秀信センター長)が開所した。出動件数は12月27日現在で259件。うちより高度な医療が行える施設へ患者を移送する転院搬送が107件だった。

 本県は南北に広いため飛行時間が長く、出動中に要請が重複すると対応できないことや、機体が小さいため小児搬送などで機材を搭載すると窮屈になるケースがある。このため県ドクターヘリ運航調整委員会は12月14日の第4回会合で、転院搬送については宮崎空港に駐機する県防災救急ヘリ「あおぞら」の運用を増やすことなどを承認した。

 また着陸後、現地の救急隊と合流するランデブーポイントを279カ所から360カ所に増加。高速道ではサービスエリアなど5カ所が着陸可能として、今後マニュアルを整備していくという。

【写真】ドクターヘリの運航開始式=4月17日、宮崎大医学部ヘリポート


フェニックスリゾートをセガサミー買収


 セガサミーホールディングス(東京、里見治社長)は2月23日、RHJインターナショナル(旧リップルウッド)が保有するフェニックスリゾート(宮崎市、河本和彦社長、フ社)の全株式を取得し、3月末をめどに子会社化することで合意したと発表した。取得金額は4億円で、フ社に対して債務返済のため54億1400万円を貸し付ける。

 3月26日、同日付で完全子会社化したことを発表。これに合わせ、セガサミーの里見社長が同日付でフ社の社外取締役に就任した。

 里見社長は4月3日、閉鎖中のオーシャンドームの有効活用へ具体策を検討し、早急に改修に着手することなどシーガイアの経営方針を明らかにした。同4日、宮崎日日新聞社の取材に対しシーガイアの施設で現在閉鎖されている旧シーサイドホテルフェニックス(同市塩路)に関し、ホテルとしての建て替えも視野に入れていることを明らかにした。

【写真】シーガイアの経営方針を説明するセガサミーホールディングスの里見治社長(右)とフェニックスリゾートの河本和彦社長=4月3日、宮崎市・シーガイアコンベンションセンター


青島再開発を断念


 宮崎市の戸敷正市長は5月2日、旧青島橘ホテル跡地(宮崎市)の開発を進めていた特別目的会社「ブルーアイランドリゾート社」(小原健史社長)が事業継続を断念したため、事業は白紙に戻ったことを正式に発表した。

 ブルー社は資金繰りが進まず、2011年12月の株主総会で撤退を正式決定。12年1月に小原社長らが跡地を所有する特別地方公共団体の折生迫財産区の財産管理者である戸敷市長に伝えていた。

 ブルー社は、みずほコーポレート銀行(東京)と同財産区に対し、ホテル解体費など計3億8千万円を求める調停を4月に申し立てたが不成立に終わり、7月6日、両者を宮崎地裁に提訴。銀行、財産区とも請求棄却を求めて全面的に争う姿勢を見せている。

 8月28日に、財産区が跡地明け渡しなどを求めてブルー社を提訴した訴訟は、11月28日、ブルー社が跡地に残るポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物などを撤去し土地を明け渡すことで、一部和解が成立している。

【写真】再開発がとん挫した旧青島橘ホテル跡地=8月27日、宮崎市青島2丁目

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