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閉店の衝撃~都城大丸 民事再生法を申請

(上)揺れる地元

2011年1月8日
「生活費どう工面」 取引業者らに募る不安

 都城市の老舗百貨店「都城大丸」を経営する大浦(大浦克博社長)が民事再生法適用申請したニュースは、新年早々、瞬く間に県内を駆け巡った。取引業者は先行きへの不安を募らせ、周辺商店街は空洞化を懸念。影響は金融機関はもちろん、県内の百貨店などにも広がっている。突然の閉店の衝撃を追った。

 県や都城市、都城商工会議所などは7日、中小企業金融相談会を同商議所で開いた。会場にはテナントや取引業者など8社が訪れ、売掛金が回収できないため不足する運転資金の調達法など真剣な表情で質問していた。

 本館2階で手作りアクセサリー店を営業していた原口美俊さん(45)=鹿児島県霧島市=によると、この店では売り上げはいったん都城大丸側に入金し、そこからテナント代が差し引かれて戻ってくる仕組み。原口さんは今春、都城市内に引っ越して新店舗を開業する予定だったが、「11月分から店の売り上げが入金されず、どうやって支払いや生活費を工面すればいいのか」とやりきれない表情だ。

 都城大丸は昨秋、隣接する大丸センターモールを閉鎖し、本館に店舗を集約して再起を期した。債権回収の見通しなど不透明な中、180社以上ある市内の取引業者からはさまざまな声が聞こえる。「業者の中には、再スタートしてこれからと思って後押ししてきたのに、という気持ちが強いのでは」と都城商工会議所の岡崎誠会頭は代弁する。

 都城大丸周辺はこの日、商品を搬出するトラックが並び、取引業者が出入りするだけで一般の人影はまばら。近くの呉服店店長の山野内幸雄さん(53)は「人通りが少なくなっていた上に、閉鎖が追い打ちをかけた」と市街地空洞化を懸念する。

 一方、市は中心市街地活性化基本計画に基づき、1999年から総額約500億円を投じハード面を整備したが、空き店舗増加や通行量減少など、商業機能の低下は止まらない。長峯誠市長は7日の定例会見で、来年度から5年間で取り組むソフト事業を中心にしたまちなか活性化プランを発表。施設購入など大丸側への公的支援の可能性は「白紙」と語った。

 市街地の核店舗とともに、まちづくりの一翼を担ってきた関係者も複雑な表情。99年に大丸北側にオープンした複合商業施設「オーバルパティオ」を運営する協同組合都城オーバルパティオの前理事長野口昭吉さん(75)は「規模は違うが、まちおこしをしてきた同志としては寂しい。この現実を受け止め、行政や市民が一緒になって再建に取り組んでいくしかない」と前を向いた。

【写真】債権回収や融資制度について相談するテナント関係者(手前)=7日午前、都城商工会議所

閉店の衝撃(上)揺れる地元2011年1月8日付
閉店の衝撃(中)決断2011年1月9日付
閉店の衝撃(下)危機感2011年1月10日付

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