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鳥インフルエンザ 衝撃再び

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【上】どこまで防疫すれば… 養鶏関係者不安募る

2014年12月18日

 「まさかあの農場で…」。高病原性鳥インフルエンザへの感染が確認された延岡市北川町川内名の養鶏場。経営する60代の夫婦を知る人々は一様に首をかしげる。感染経路を調べる国の疫学調査は始まったばかりだが、真面目で丁寧な防疫を続けてきたことで知られる夫婦だけに、関係者に大きなショックを与えた。

 県は県内養鶏業者に、外から養鶏場の敷地に入る際と、さらに鶏舎に入る際の最低2回、長靴を履き替えるよう指導するが、夫婦は農場内の住居から鶏舎まで4回履き替えていた。野生動物が近づかないよう、小まめに農場周辺の草を刈り、知り合いが尋ねてきても農場の外まで出て対応してきた。

 8月にこの農場を巡回指導した延岡家畜保健衛生所の担当者は「出入り口の石灰散布もむらがなく丁寧。鶏舎内だけでなく農場周辺や事務所にも神経が行き届いていた」と振り返る。殺処分作業で農場に入った市職員も「しっかりと手入れされた鶏舎という印象を受けた」と話した。

 それでもウイルスは侵入した。27年間、夫婦二人三脚で農場を営んできた夫は「感染させてしまったということは、どこか落ち度があったということ。ただ、何が足りなかったのか…」と落胆し、「行政や養鶏関係者、近所の方々に迷惑と心配をお掛けしてしまった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と声を絞りだした。

 「どこまでやれば報われるのか」。児湯郡内で養鶏を営む男性は2011年の前回発生を教訓に、費用や手間を倍にして防疫に取り組んできた。だが「結局は運次第ではないのか」と徒労感に襲われることもある。県内発生が確認されてからは、気持ちを奮い立たせながら夜間の見回りを新たに始めた。

 発生農場と同じ延岡市で50年間、養鶏業を営む男性(79)も「なぜ宮崎ばかり」とショックを隠さない。行政の指導を仰ぎ、万全の消毒態勢でこの冬を迎えたが「どの農場も防疫は徹底していたはず。どこに隙間があるのか」と不安を募らせる。市担当者は「行政としても考えられる限りの防疫を講じてきた。それでも発生を防げなかったことが歯がゆい」とため息をついた。

 県は前回発生後の2011年11月、防疫マニュアルを作成。海外や国内で野鳥の発生情報があるたびに、県内養鶏業者に注意を呼び掛けるとともに年に一度、千を超える県内養鶏場すべてが対象の巡回指導を行ってきた。

 「県内発生を許した以上、われわれに何が足りなかったのか見つけなければならない」。県家畜防疫対策課の久保田和弘課長はそう語り、県内関係者に無力感が広がることを懸念。「確かに感染リスクをゼロにすることはできない。だが、小さな努力の積み重ね以外にゼロに近づける方法はない」

【写真】延岡市独自の消毒ポイントでの消毒作業。養鶏関係者からは「どこまでやれば報われるのか」との声も聞かれる=17日午後、延岡市北浦町古江の国道388号

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