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ひらく よむ いかす 第69回新聞週間

(1)NIE指定校となった鵬翔中教頭 吉田成哉さん(宮崎市)

2016年10月21日
基礎教養じっくり育成

 2020年度の受験から大学入試センター試験がなくなり、面接や討論が重視されるなど大きな変革を迎える大学入試。各学校が受験対策の方向転換を迫られるなか、宮崎市の鵬翔中(川﨑基宏校長、175人)は、日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践指定校に手を挙げた。「対策として一番に頭に浮かんだのが新聞だった」と語るのは吉田成哉教頭(54)。「新聞を活用し、基礎教養や伝える力を中高6年間でじっくり向上させたい」と意気込む。

 同校には今年4月からの半年間、宮崎日日新聞をはじめ、全国紙など6紙が提供された。政治・経済や事件にとどまらず、科学や投稿欄まで幅広い情報が詰まった新聞。「まずは新聞とじっくり向かい合ってもらおう」と、当番の生徒による記事の切り抜きに取り組んでもらった。

 記事を選んだ理由や読んだ感想をA3判の紙にまとめ、毎日廊下に掲示。吉田教頭は「自分の考えを表現する力はもちろん、他の生徒の意見を知るきっかけにもなっていた様子」と語る。当初はニュースの切り抜きが目立ったが、回を重ねるにつれ、コラムや現象を掘り下げる記事を選ぶなど成長も見られだしたという。

 吉田教頭は全学年で週1回行う小論文の授業でも新聞を活用する。インターネットと異なり、興味を持っていない記事も目に飛び込んでくる新聞。「地域から海外まで、さまざまな分野で活躍する人を知ることもできる。学業で忙しい中学生にとって、社会に触れるきっかけにもなる」と魅力を語る。「高校の3年間で小論文や面接の実力を付けるのは難しいが、6年間なら可能なはず」と、中高一貫校の強みも生かし、今後も積極的に利用していく考えだ。

 「入試対策としてはもちろん、社会に出てからも通用する人材を育てたい」。教材としての新聞の力で、一朝一夕では実現しない「人間力」の向上を目指している。

【写真】生徒が作成したスクラップを並べ、新聞を活用した取り組みの魅力や意義について語る吉田教頭=宮崎市・鵬翔中

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