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つながる輪 東九州道 北九州―宮崎開通

(上)展望・宮崎発

2016年5月2日
物流、観光選択広がる

 「福岡までなら東九州道は遠回りだが、今の西回りより早く着き、時間の見通しが立てられる」。福山通運宮崎支店(宮崎市島之内)でドライバーの運行管理を担う富田敏司さん(49)は、熊本地震で高速道が複数選べる重要性を再認識した。

 跨道橋(こどうきょう)の落下や路面陥没など、西回りの九州自動車道は熊本県内の植木-八代(56キロ)で復旧のめどが立たない。福岡-宮崎は九州道経由より東九州道が約80キロ遠回り。それでも県内の物流業者には、北九州に接続前の東九州道を選ぶ動きが出ている。

 同支店は平日で15台前後、休日8台ほどのトラックが北部九州や中国地方へ向かう。「九州道は雪、大分道は霧で通行止めになることが多い」と富田さん。「高速道を選べることで、到着や運行の時間を管理できることが一番のメリット」と力を込める。

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 昨年、国土交通省が実施したトラック輸送の実態調査で、県内ドライバーの長時間拘束が課題となった。拘束13時間を超える運行は、全体の43・7%(全国36・6%)、16時間超えは22・2%(同13・0%)にも及んだ。荷積みの時間や、積み荷を待つ時間が長いことが要因とされる。

 ただ、全国的には高速道を利用する割合が高い運行の方が拘束は短く、県内も同じ傾向があるという。県トラック協会は「移動時間の短縮で労働環境の改善が期待される」と開通を前向きに捉える。

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 観光面では新しい旅行商品開発も進む。宮崎交通旅行部(宮崎市)は北九州や下関を巡る、新しい日帰り旅行商品の募集を3月下旬に始めた。顧客の反応は上々で、日程によっては早々と一定人数を確保し、催行を決めた。同社国内課の大草健吾係長(34)は「下関はこれまで1泊旅行のエリア。今後は日帰りニーズにも対応できる」と商機拡大を歓迎する。

 九州道が復旧すれば、北部九州をカバーする循環ルートが完成。行きと帰りで車窓から違う景色を楽しめ、旅行商品の付加価値も高まる。さらには児湯や県北でもツアー客を拾え、乗車率は上がると大草係長は分析する。「九州を周遊する新たな旅行商品の開発にも取り組んでいきたい」と意気込んでいる。

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 東九州自動車道は24日、北九州市から宮崎市まで結ばれる。経済や物流、観光など多方面での効果が期待される北九州と県内の展望を紹介する。

【写真】東九州道経由で北部九州や中国地方へ荷を運んでいる福山通運宮崎支店。開通でトラックの到着時間短縮を期待する=21日午後、宮崎市島之内

【つながる輪 東九州道】(上)展望・宮崎発 物流、観光選択広がる2016年4月23日付
【つながる輪 東九州道】(下)展望・北九州発 高まる拠点性アピール2016年4月24日付

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