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【東日本大震災3年】 千葉・液状化

2014年3月3日
道路 継ぎはぎだらけ 住宅地の対策進まず

 多くの命や、当たり前の生活が奪われた東日本大震災から3年がたとうとしている。津波の猛威、液状化、風評被害…。南海トラフ巨大地震で甚大な被害が想定されている本県は被災地の今を知り、震災を過去のものとしてはならない。復興しつつある千葉、福島、宮城を歩く。(報道部・前田隆明)

 まず訪れたのは、液状化に見舞われた千葉県浦安市。分譲マンション、富岡エステート(4棟、256世帯)の自治会長、板山幸永さん(63)に1日、案内をお願いした。板山さんは車で街を走りながら「よく見ると道路も歩道も継ぎはぎだらけで、でこぼこしてるでしょ」と指さした。

 埋め立て地が7割を占める同市は1455ヘクタールが液状化。道路延長約110キロが破損、住宅8千戸以上が一部損壊した。最大でガスは8千戸、上下水道3万3千戸、下水道1万2千戸が停止した。

 マンションなどの集合住宅では建物の被害はほぼなかったが、敷地内の駐車場や上下水道、ガスの配管が破損し、住民の生活に影響した。

 同自治会、管理組合の役員3人に被災直後の状況を聞くと、30~50センチの地盤沈下が起き、計400トンの土砂が噴出。上水道は1週間で復旧したが、下水道は仮復旧までに2週間かかったという。

 「風呂トイレが使えず、排せつ物を袋に入れベランダに置いていた時期が苦労した」と、管理組合の三谷哲理事長(66)。「防ぐのが難しい液状化対策より、インフラの早期復旧が大事」と、上下水道管を一部地表に出すなど修理しやすくする対策をした。

 一方、一戸建て住宅は、垂直からの傾きが1・2センチを超え、「半壊以上」と認定された家が約3500戸に上った。

 2日訪ねた戸建てが中心の同市入船地区。石川正純自治会長(72)の話では、住宅の液状化対策は各地区で住民の合意が得られないため進んでいないという。

 「市が提示した工法は100戸単位で全戸が合意、それぞれ敷地地中の四方に壁を作るという大規模なもの。1戸当たり200万円程度出費が必要で、年金受給者など払えない人もいる」と石川さん。駐車場、アパートなど土地の利用形態がさまざまなことも合意が進まない理由という。

 本県でも海や川の砂、粘土が堆積してできた地盤があり、宮崎平野を中心に液状化の危険性は高い。宮崎市上下水道局はマンホール浮上防止など液状化対策を順次進めているが、道路や住宅に関しては早急な対策はコスト面で難しい。県民としては、飲料水や簡易トイレなど、基本的な備えをするしかないのが実情だ。(随時掲載)


写真説明/液状化に伴う地盤沈下の痕跡を指さす三谷さん(左)と板山さん。三谷さんが指すコンクリートの茶色い線が元の地面の高さ=千葉県浦安市

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