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聞かせて声を いじめ考える夏

「けんか謝ったのに…」

2014年8月19日
 いじめを苦にした子どもたちの自殺が各地で相次いでいる。ネットの普及などで複雑、潜在化するいじめ問題に対し、対応策を考えたい。記者が集めた小中高生たちの声をもとに、人権団体や教育関係者らに答えてもらった。

■    ■

質問 同じ学校に通う友人とけんかしました。その場でも、家に帰って電話でも謝ったのですが、翌日学校へ行くと「私がその友だちを怒らせた」という話が周囲に広がっていて、話し掛けても無視されたり、冷たくされたりしました。学校に行くのが嫌になって、涙が止まりませんでした。みんなの前でもう一度謝って今では仲良くしていますが、なぜ謝っても許してもらえなかったのか分からないままだし、2人の問題なのにどうしてみんなに広めるんだろうと思います。また同じようなことがあったらと思うと、とても怖いです。
(県央部・小学生女子)

人権団体「SIESTA」会長/元野広慈さん
回答者
人権団体「SIESTA」会長/元野広慈さん(43)=都城市=
国や県、NPO法人などで相談員を務める。専門は性と人権問題。2000年から現職。

自分の言葉で気持ち丁寧に伝えて


 急に一人になって心細い中、よく頑張りましたね。逃げ出すのは簡単ですが、きちんと向き合い解決へ進んだあなたはとても偉かったと思います。

 同じ出来事でも人によって感じ方は全く違います。例えば、その場で謝ったつもりでも相手に伝わっていなかったかもしれないし、電話で謝ろうとしたことを「電話で済ませた」と思ったのかもしれません。

 小さなすれ違いも時間がたち、人の手を渡ると複雑になります。私は相談員をしていますが、ささいなことで孤立したという相談が目立ちます。集団になると強い人の意見に引っ張られがちです。たとえ間違っていると気づいたとしても、集団の中にいる方が安全なので、そこから抜け出して助けてくれる人も少ないでしょう。仲間意識が間違った方向に進み、いじめに発展する場合もあります。

 大切なのは、当事者同士が自分の言葉で気持ちを伝えること。電話やメールは相手の顔が見えません。直接会って話す方が気持ちが伝わり、相手の考えも分かります。情報機器の発達などで、言葉がはしょられすぎていると感じます。

 相手への思いやりを頭に入れながら、「私はこう思った」「こう感じてつらかった、悲しかった」という気持ちを丁寧に伝え、相手の話にも耳を傾ける。そうすることで、より分かり合えると思います。自分で伝えきれないときやどうしようもないときは、信頼できる大人に相談すると力になってくれると思いますよ。

 悩み苦しんだことは決してマイナスではありません。「あのときこんなことあったよね」と笑える日がくると信じています。






【1】けんか謝ったのに… 2014年8月 5日付
【2】親友に裏切られ友達作れない 2014年8月15日付
【3】リーダ格 仲間はずれに 2014年8月19日付

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