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点検 2014年度県予算

(1)東九州道

2014年3月4日
■観光や企業誘致に力

延岡-宮崎の全線開通を間近に控えた東九州道。効果を最大限に生かす事業が期待される=都農町川北
 「二度と来るものか」。宮崎カーフェリー(宮崎市)の黒木政典社長は数十年前、宮崎旅行を終えて乗船する客が吐き捨てた言葉が忘れられない。この客は細島港(日向市)から車で高千穂観光に行き、帰りの国道10号で激しい渋滞に巻き込まれていた。本県の脆弱(ぜいじゃく)な交通インフラにより、こうした苦情を幾度となく耳にしてきた黒木社長。それだけに、間近に迫った東九州自動車道延岡-宮崎の全線開通は感慨深い。「フェリーで来る人にとって県内の交通アクセスは重要。やっと願いがかなった」

 2014年度は東九州道の開通効果を最大限に取り込むことが県の命題。県は14年度予算案を「東九州の新時代へ-みやざき飛躍予算」と銘打ち、東九州道活用の関連事業を幅広く盛り込む。

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 観光面では旅行客増加などが期待される半面、素通りされる懸念も大きい。そこで、「東九州自動車道を活用した観光誘客促進事業」(1千万円)を計上。大分県と共通の観光パンフレット作成や高速道乗り降り自由の周遊型割引企画、同県をターゲットにしたキャンペーンに取り組む。

 このうち周遊型割引は九州初の試み。四国や中国などのインターチェンジ(IC)から本県・大分県内までの往復と、両県内の2、3日間乗り放題を割安の定額で利用できる。県は宮崎空港や宮崎港から来県した場合も対象とし、夏と冬の実施を予定する。

 宮崎カーフェリーの黒木社長は「1年早くこの事業が打ち出されていれば、もっと多様な対応ができたのだが」と苦言を呈しながらも、「県内の複数観光地を回ることが可能になる」と歓迎する。

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 企業誘致対策も強化する。「みやざき企業立地支援充実事業」(2300万円)では、市町村の高速道路を利用した工業団地整備を補助するほか、立地企業に貸し出すための建物を建設する企業への補助を新設する。県企業立地課の津曲睦己課長は「開通が決まってから誘致の手応えが違う。工業団地整備を積極的に進めたい」と意気込む。

 東九州道のICがある西都市は、新たな団地造成を予定している。同市商工観光課は「14年度に北九州まで開通すれば誘致はさらに有利。ただ予定している団地は5、6ヘクタール。20ヘクタール以下の団地は県の補助の対象外だったので、14年度は対象になるとありがたい」とさらなる支援を期待する。

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 1期目最後の年を迎えた河野県政の2014年度当初予算案が示された。重点分野を中心に点検する。

【写真】延岡-宮崎の全線開通を間近に控えた東九州道。効果を最大限に生かす事業が期待される=都農町川北

(1)東九州道2014年3月4日付
(2)おもてなし2014年3月5日付
(3)加工用農作物2014年3月6日付
(4)防災2014年3月8日付
(5)人材育成2014年3月9日付



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