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宮崎・延岡ダブル市長選 拠点都市の行方

【上】宮崎市

2013年12月25日
高速網進み競争激化/物流や観光 戦略策定鍵

 本県の政治や経済の中心として着実に発展してきた宮崎市。平成の大合併を経て現在の人口は40万人を超え、県人口の4割近くを占める。商業地や住宅地などの集積も進み、九州内の拠点都市の一つとしての役割も担う。

 しかし、本年度から5年間の第4次市総合計画後期基本計画では急速に進む少子高齢化を踏まえ、これまでの拡大前提から転換。初めて人口減の視点を取り入れた。市の推計では、現在の約40万2千人をピークに2019年前後には40万人を切ることになる。

 宮崎産業経営大の大村昌弘学長は「地方都市の生き残りはこれからが正念場」と危機感を募らせる。人口減による経済活力の低下に加え、高速道ネットワークの進展による都市間競争の激化を予測。「宮崎市は人や産業を引きつける強い磁力を持つ拠点となるべきだが、地域のエネルギーを盛り上げるようなアイデアが見当たらない」と指摘する。

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 東九州道は本年度中に延岡-宮崎、15年度には北九州-宮崎が開通予定で、東九州軸が着々と強化される。県西に目を向けると、02年の東九州道末吉財部(鹿児島県曽於市)-加治木(同姶良市)の開通で都城市から鹿児島市のアクセスが向上。今後、県境を越えた経済活動はさらに加速するとみられる。

 「県北は大分、県西は鹿児島との結び付きを増し、県都が孤立する」(市企画政策課)との危機感もあり、宮崎市は本年度から東九州道開通に備えた市交通・物流戦略の策定に着手。開通によるヒト、モノの流れの変化を予測し、物流や観光、商業などの課題と目標を立てて15年度以降の施策に反映させる。

 同戦略の柱の一つが宮崎港の振興。同港の経済効果額や開通で変化する荷主の動向などを調査。定期航路の減少で貨物量が直近のピークの05年に比べ約200万トン少ない現状からの打開を図る。八興運輸(日向市)の田北賀也専務は「高速道整備の影響で大分港など県外に荷物が流れる可能性がある。荷主の囲い込みを図れるような戦略を描いてほしい」と求める。

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 都道府県を廃止して全国を10程度の道や州に再編する道州制については、自民党が先の国会への基本法案提出を見送った。全国知事会が「制度設計が不明確」と批判し、全国町村会が反対するなど今後の行方は不透明な状況だ。

 インフラ整備などで県境を越えた広域化の流れは加速し、県外の大都市との競争にさらされる。大村学長は「道州制に関係なく、競争の土俵は広がっていく。南九州の都市群で農業と都市機能が融合した田園都市の同盟をつくり、盟主を目指すくらいの意気込みを持つべきだ」と、九州全体をとらえた目標設定を求める。

 40万人を有する都市として、他の都市をけん引するリーダーシップを発揮できる戦略を描けるか。生き残りへ今後の力量が問われる。

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 宮崎、延岡市長選が来年1月に告示される。両市の拠点都市としての課題を探る。

【上】宮崎市2013年12月15日付
【下】延岡市2013年12月16日付

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