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オスプレイの波紋 新田原基地展示

【上】町民不在

2013年11月28日
国や県町へ不信感

 「今年も迷惑を掛けますがよろしくお願いします」。航空自衛隊新田原基地幹部は14日、新富町役場を訪れ、基地周辺激甚地区区長会(黒木君夫会長)に航空祭の概要を説明した。しかし、最後までオスプレイ展示について触れることはなかったという。

 同基地はこの時すでに「米軍と調整」に入っており、13日には県と基地周辺2市3町に展示計画を打診していた。黒木会長(61)は「今思えば、『今年は警備のため、持ち物検査を予定している』と言っていた。オスプレイ展示を念頭に置いた言葉だったのだろう。直接、住民に説明できる場だったのだから、事実だけでも伝えてほしかった」

   ◇     ◇

 同町は同基地を観光資源と捉え、観光客誘致を図る「スカイパーク構想」を掲げる。航空祭での展示に経済効果を期待する声も一部にあるが、「唐突すぎる」「町民不在」などと地元では国への不信感が募る。特に、いち早く容認姿勢を示した県と周辺自治体への批判は根強い。

 同町は「日米両政府で安全性は確認している」などとして、防衛相が計画を発表した19日に事実上容認。県と周辺2市2町も同日、計画を受け入れ。22日には、県と航空自衛隊新田原基地周辺協議会が安全確保と詳細な情報提供を申し入れた。

 オスプレイ搬入のため、飛行経路になる可能性がある同町三納代・新町地区の清研一区長(64)は「県などがすぐに受け入れ容認の姿勢を表明したことで、安全性を心配する地域の声は丸のみされてしまった」と憤る。

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 土屋良文町長は「あくまでも展示。米軍の常駐化や日米共同訓練でのオスプレイ使用に結びつくものではないと確信している」と強調する。しかし、日米両政府は10月、沖縄県の米軍普天間飛行場のオスプレイ訓練の県外・国外移転を進める方針を示した。

 さらに同月、オスプレイを使った日米共同訓練を滋賀県の饗庭野演習場で行ったほか、高知県沖で日米共同統合防災訓練を計画(悪天候のため中止)。防衛省の14年度概算要求には、オスプレイの自衛隊導入に向けた調査費1億円も盛り込まれている。

 同町三納代の無職樋口美恵さん(72)は「(オスプレイを使った訓練計画など)どんどん話が進む。新田原にも一度来れば、次もあるだろう。心配なので声を上げなくてはと思うが、どんなに反対したとしても通用しない」とあきらめの表情を浮かべた。

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 新富町の航空自衛隊新田原基地(内倉浩昭司令)で12月1日に開かれる航空祭で、米軍新型輸送機MV22オスプレイが展示される。オスプレイの安全性への懸念を取り除くためのPRとみられ、国内航空祭での展示は初めて。基地周辺の反応などを探った。

【写真】新田原基地から明らかにされた展示計画の情報について代表区長会で報告する土屋町長=22日午後、新富町役場

【上】町民不在2013年11月28日付
【下】沖縄の声2013年11月29日付

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