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【農村漁村発】西諸地区農家民泊

2012年11月12日
■修学旅行誘致し活気

 県内各地で農作業体験や農家民泊などグリーンツーリズムの取り組みが進む中、西諸地区で体験型観光を推進する「北きりしま田舎物語推進協議会」(66人、清水洋一会長)は県外の修学旅行受け入れに力を入れている。県境に近いという地理的環境を強みに、農家民泊型としては県内で初めて来年度の誘致に成功。「田舎」を売りにして農村に子どもたちを呼び込み、地域を活気づけようとしている。

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 同協議会は2006年10月発足。小林、えびの市の会員が田植えや野菜の収穫、家畜の世話、釜飯炊き、まき風呂などさまざまな体験メニューを用意し、昨年度に農家民泊81人、日帰り体験234人を受け入れるなど実績を伸ばしてきた。一方で、経済効果が大きくリピーターも見込めるとして、修学旅行の受け入れを大きな目標に掲げていた。

 旅行代理店にこうした要望を伝え積極的にPRした効果もあって、昨年12月に念願の誘致が決定。来年5、6月、2泊3日の日程で南九州にやって来る関西の中学校4校の計422人に1泊してもらうことになった。現在も、関西方面の旅行代理店から複数の問い合わせがあるという。

 高まる引き合いの理由には、年1回の安全・衛生講習の受講、体験メニュー充実を目指した年数回の研修会に対する旅行代理店の評価、「何よりアクセスの良さ」(清水会長)があるようだ。

 南九州が旅行先に検討されるとき、鹿児島県の知覧特攻平和会館で平和学習が組み込まれることが多く「新幹線や飛行機で鹿児島を訪れ、その後、バスで西諸まで来ることができる」と同協議会。「今回の4校で成功すれば大幅なステップアップになる」と期待も膨らむ。

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 試金石となる来春へ向け、受け入れ準備は着々と進んでいる。保健所から簡易宿所の営業許可を得た農家は現在、昨年末の20軒から33軒に増加。会員数も増やしていく方針で、受け入れ農家は本年度中に40軒、来年度中には50軒になる見込みだ。1軒5人程度の宿泊を想定しており、100人以上の規模も余裕を持って受け入れられる態勢を見据えている。

 活動の成果が徐々に実を結ぶようになり「本物を味わってほしい」「昔の農村の生活を楽しんでもらいたい」などと会員の意気は上がる。今年2月に宿所の許可を得たえびの市原田、本坊照夫さん(62)は「都会の子どもに土、自然のことを知ってほしい。伝えたいことがいっぱいある」と前を向く。

 清水会長は「西諸地区の雄大な自然は、北海道の富良野に似た雰囲気だと旅行代理店に評価してもらっている。2市1町が一つになって取り組めば、必ず活性化につながるはずだ」と信じている。
(えびの支局・佐賀信行)


【写真】日帰り体験で北きりしま田舎物語推進協議会の会員宅を訪れ、もちつきを楽しむ子どもたち。来年は修学旅行客も受け入れる予定だ=えびの市原田

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