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変革への期待 33歳日南市長誕生

【上】胎動

2013年4月16日
■停滞打破市民に響く 目新しい政策、若さ評価

 日南市に、33歳と全国で2番目に若い市長が誕生した。14日投開票された市長選で選ばれたのは「地盤」「看板(知名度)」「かばん(資金)」のない元県職員の崎田恭平さん(33)=無所属。前回県議選日南市区でトップ当選の外山衛さん(55)=同、2期目を目指した現職の谷口義幸さん(69)=同=という実力者2人を抑えた勝利の背景には、閉塞(へいそく)感が漂う現状の不満、新リーダーへの期待感があった。

 「現状維持は停滞の始まり。市内を覆う諦めムードを打破し、飛躍を目指す」。選挙中、崎田さんは雇用や収入が少ないことで若者を中心に人口が減るなど停滞が続く同市の現状を示し、徹底的に変革を呼び掛けた。

 ミニ集会では、他候補との差別化を意識した。「市役所に民間人ポスト創設」「予算への成果主義導入」などこれまでになかった目新しい政策を並べ、分かりやすい言葉で丁寧に説明。こうしたことが功を奏し、集会に数回参加した同市上平野町の女性(65)も「みんなが日南を変えたいと潜在的に感じていた中、(崎田さんの話を聞き)大きな期待を感じた。しがらみのない若さにも期待できる」と市民の意識変化を語った。

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 30代の新市長を生んだことに対して、多くの市民も慢性的な停滞感への不満があったと口をそろえる。

 同市の40代職員は「谷口さんは失政がなく、着実に市政を前進させてきたのは評価されるべきだが、変化を求める職員が増えていた」と言い、谷口さん支持だった同市飫肥の70代男性は「新市長は若くパワーもある。谷口さんも一生懸命だったが、行政トップとしての限界も感じた」と感想を述べた。

 一方、政権与党の自民党県議だった外山氏については、同市榎原の農業男性(55)が「知名度はあるが、目新しさに欠けていた」と感想。実力者でありながら、変革を求める市民の要求を満たす人物とはみなされなかったという。

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 開票から一夜明けた15日朝、崎田さんは出馬表明後の9月から続けていた日南駅前でのつじ立ちを行った。車で通勤する市民の多くが手を振ったり、スピードを落として声を掛けるなど、市内は若い新市長誕生の歓迎ムードに包まれた。

 33歳の新市長に古里の未来を託した日南市の民意。宮崎大教育文化学部の根岸裕孝准教授(地域経済)は「市の財政が厳しく衰退する中で、市民に危機感と期待感が生まれた。県内でも厳しい財政を抱える地域では、組織に頼る従来型の延長では駄目だとして、今回のようなケースで首長が誕生する可能性はある」と分析。停滞感から新しい風が起きることは、どの自治体でもありうると指摘した。

【写真】日南市長選で初当選し花束を受け取る崎田恭平氏(右)。背景には停滞からの打破を望む有権者の期待感があった=14日午後9時36分、日南市星倉の選挙事務所

【上】胎 動2013年4月16日付
【下】課題山積2013年4月17日付

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