肥満解消に漢方薬を

東洋医会 大森史彦

2019年12月05日掲載

 肥満の指標BMIが25以上となると肥満症ですが、宮崎県民の平均BMIは全国第6位です。そのせいか、糖尿病の患者数は人口10万人当たりでは全国第10位、糖尿病性腎症は第2位、糖尿病性腎症などで透析導入となる方も全国第2位です。肥満によって起こる生活習慣病が健康を害しています。

体質に合わせた処方
 
 外来の患者さんの中には、「痩せたいので、漢方でなんとかならないか」と言う方がいますが、実はあるのです。テレビコマーシャルでよく見る防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)はその一つです。ただこの薬はどんな人でも合うわけではなく、ガッチリした体型で肥満症になっていて便秘傾向にある人が適応となります。痩せ型の方、下痢傾向にある人には使えません。

 この処方以外にも、痩せるための漢方薬はいくつかあります。漢方の専門医は顔色、お腹、舌、脈などを丁寧に診察して処方を決定します。防風通聖散以外にも、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)、大柴胡湯(だいさいことう)、防已黄耆湯合茯苓飲(ぼういおうぎとうごうぶくりょういん)などがあります。更年期でホルモンバランスが変化して肥満となった場合には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、精神的ストレスで食べ過ぎの場合には加味逍遥散(かみしょうようさん)、食欲旺盛な場合は食欲を抑えるために麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう)・腰痛・冷えがあれば五積散(ごしゃくさん)などと、一人一人に合わせていろんな処方を決定します。ただ、漢方薬を飲むだけで痩せるのは無理があり、同時に食事療法や運動を地道にやっていく必要があります。

自己負担率引き上げ懸念

 このように医療用漢方薬は西洋薬と同様、様々な分野で皆さんの健康維持に役立っています。ところが今、内閣府や財務省で漢方薬の自己負担率を引き上げることが検討されています(現在は3割です)。もしそうなると患者さんの経済的な負担が増え、適切な医療の機会を逃してしまうかもしれません。漢方薬を適切に使うことは皆さんの健康推進に大変役立っていることを、ぜひ知って欲しいです。

MEMO

肥満の治療に多くの漢方薬が使われます。 漢方医は一人一人をよく診察して体質、体調に合わせた処方を決定します。同時に食事、運動療法も大切です。


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