高血圧治療 目標値引き下げについて

内科医会 石坂裕司郎

2019年10月03日掲載

 今年4月、高血圧治療において、ある変更がありました。新聞などですでに目にした人もいるかも知れません。

 高血圧の基準値はこれまで通り140/90㎜Hg以上ですが、降圧の目標値として「75歳未満の成人を130/80㎜Hg未満」とすることになりました。今回、診断基準ではなく降圧目標を下げたのは、「血圧をさらに下げた方が、脳卒中や心臓病の発症をわずかながら減らせる」ことが外国の研究結果から分かったからです。

心臓病や脳卒中リスク低減

 高血圧症の治療とはすなわち、血圧を下げることそのものだけでなく、血管の動脈硬化を防いで心臓病や脳卒中、腎臓病を予防することです。

 高血圧の人の多くは自覚症状が無く、血圧が高い人が無自覚のうちに心臓病や脳出血を起こすことは昔からよくありました。

 血圧が160㎜Hg以上の人を降圧剤を飲むグループと飲まないグループに分けて比較したところ、降圧剤を飲んだグループの方が心臓病や脳出血が少なくなるという実験結果があります。その後もたくさんの臨床実験を繰り返しながら高血圧の基準を低くして、現在に至っています。

 降圧剤も多くの臨床試験を経て多様な種類が開発され、今では年齢や合併症の有無により最適な薬を選択できるようになりました。

生活習慣の見直しを

 目標値が低くなったことで不安に思う人も多くいるでしょうが、これはすぐに血圧を下げる薬を飲まないといけないということではありません。まず、生活習慣の見直しを行いましょう。例えば、麺類が好きな人は汁を残すだけでも2〜3gの減塩になります。肥満の人は1㎏の減量で1㎜Hgの血圧低下作用があるともいわれています。タバコを吸うと血圧が上がるのですが、禁煙を続けると心臓病や脳卒中の危険性は低下します。

 現在血圧の薬を飲んでいて、心臓病、糖尿病、腎臓病といった他の病気を持っている人は、より血圧を下げた方がいいかもしれません。主治医の先生と相談しながら、自分の血圧と付き合いましょう。

MEMO

高血圧治療の目標値が変わりました。この機会に、生活習慣と治療の見直しを行い、自分の血圧と上手に付き合っていきましょう。


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