口腔(こうくう)・咽頭の 性感染症

耳鼻咽喉科医会 牧元宏

2019年01月03日掲載

現代の日本は、誰にでも性感染症に罹患(りかん)する危険をはらんだ社会です。十数年前より梅毒患者が急激に増加しています。また、他の先進国に比べてHIV患者の増加率も高く推移しています。

口腔・咽頭領域に症状や所見が現れる性感染症があります。医師が患者の口腔・咽頭を診察して性感染症を疑い、検査診断に至る場合もあります。また、患者自身がそれを疑って受診する場合もあります。代表的な口腔・咽頭領域の性感染症を紹介します。

梅毒
梅毒トレポネーマという病原体が、皮膚の傷や粘膜を通過して体内に入っていき、3週間経過して病原体の侵入部位(例えば唇、舌、へんとう腺)に初期硬結といった無痛性の軟骨のように硬いしこりができ、触れるようになります。それから数日すると、そのしこりの中央が潰瘍になり、周囲が盛り上がってきます。痛みは感じません。通常の口内炎は痛みが強いものですが、梅毒にはそれがありません。その後3~6週間を経過して消失します。ここまでを第一期といいます。第二期では、リンパ管、血管を介して全身へ播種(はしゅ)します。なるべく第一期のうちに診断を付けることが大切です。

淋菌・クラミジア
口腔・咽頭の自覚症状がなく所見も乏しく、患者が疾患を疑って受診することがほとんどです。症状・所見がなければ検査診断・治療は必要ないように思われますが、放置すれば周りの人に感染する危険もあり、妊娠を希望する人にとっては不妊症の原因になります。また、診断が付けばHIV感染の検査を進めることもあります。

単純ヘルペスウィルス
90%の人は無症候ですが、10%が急性の咽頭・へんとう炎を起こします。強い咽頭痛、40度近い高熱が続き、唇、口腔、咽頭に複数の口内炎がみられます。

HIV
口腔・咽頭に白いコケ(カンジダというカビの一種)が充満します(偽膜性カンジダ症)。この所見を見てHIVを疑うきっかけになることがあります。

EBウィルス
初感染は急性伝染症単核球症という特徴的な臨床像がみられます。38度以上の高熱が一週間以上続き、頸部リンパ節腫脹、強い咽頭痛(急性へんとう炎)を認めます。初感染後はリンパ球(B細胞)に生涯潜伏し、まれに慢性活動性EBウィルス感染症や上咽頭がんを発症する場合があります。

MEMO

性感染症はさまざま。口腔・咽頭にみられる症状や所見を説明します。


コンテンツ
サポーターコラム

GURU GURU GOURMET

Health

旬レシピ

働くワタシ図鑑

プレゼント

facebook

休日在宅医

きゅんナビ

発行
宮崎日日新聞社
企画・編集
宮崎日日新聞社 業務局
〒880-8570
宮崎市高千穂通1-1-33
購読のお申し込み
TEL 0120-373821